2002 Fiscal Year Annual Research Report
鋼コンクリート合成構造建築物の変形性能評価システムの開発
Project/Area Number |
14550562
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
土井 希祐 新潟大学, 工学部, 教授 (60134954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 大介 新潟大学, 工学部, 教授 (90169508)
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Keywords | 鋼コンクリート合成構造 / 部材 / 変形性能 / エネルギー吸収性能 / データベース / 骨組解析 / 剛体-バネモデル / 性能設計 |
Research Abstract |
1.目的 鉄骨鉄筋コンクリート(以下SRCと表記)造を始めとする鋼コンクリート合成構造に関する実験データベースに基づいて,部材レベルおよび骨組みレベルにおける,性能設計のための変形性能とエネルギー吸収性能の評価システムを開発することを目的とする。 2.研究計画 SRC造を始めとする鋼コンクリート合成構造は,中高層建築物に多く採用されており,下層階柱は地震時に大きな圧縮-引張の変動軸力を受けるが,既往の研究は一定軸力の下でのものが殆どである。そこで,変動軸力の下での変形性能とエネルギー吸収性能の評価法について検討するため,既往の実験資料に基づいたデータベースを作成し,一定軸力を受ける場合の評価法が適用可能か否かを検討した。さらに,剛体-バネモデルによるSRC造建物の弾塑性静解析および地震応答解析を行い,大変形領域を中心とする力学的挙動について検討した。 3.結果 変動軸力を受けるSRC部材の変形性能とエネルギー吸収性能について,最大圧縮軸力,および鉄骨曲げ耐力比をパラメータとすることにより,一定軸力を受ける場合の評価法が概ね適用可能であることが明らかとなった。また,剛体-バネモデルによる骨組解析により,平面が整形なSRC造建物の大変形領域を中心とした地震時挙動について,内蔵鉄骨の形式によらず,概ね評価可能であることが明らかとなった。 4.まとめ SRC造を中心に,変動軸力を受ける部材の変形性能とエネルギー吸収性能の評価法について検討し,概ね一定軸力を受ける場合の評価法が適用可能であることが明らかとなった。また,剛体バネモデルによる骨組解析により,大変形域を中心とするSRC造の地震時挙動を概ね評価できることが明らかとなった。この結果を踏まえ,次年度において,コンクリート充填鋼管等を含めた鋼コンクリート合成構造の変形性能とエネルギー吸収性能の評価システムを検討する計画である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 土井希祐, 片寄哲務: "大変動軸力を受けるSRC柱部材の静加力実験"鋼構造年次論文報告集. Vol.10b. 595-602 (2002)
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[Publications] 田中里子, 土井希祐, 片寄哲務, 浜田佳枝: "離散化極限解析法によるSRC造建物の地震被害の解析"鋼構造年次論文報告集. Vol.10. 603-610 (2002)