2002 Fiscal Year Annual Research Report
高寿命型空間構造の開発と地震被害抑制法に関する研究
Project/Area Number |
14550565
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
加藤 史郎 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (40023303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中澤 祥二 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (70314094)
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Keywords | 長寿命 / 空間構造物 / 耐震性能 / 免震・制振 / ドーム構造 / 山形トラス構造 / アーチ構造 |
Research Abstract |
成熟した杜会では、ストック性能の高い、高寿命・リサイクル型の高品質建築を適正価格で提供することが要求される。本研究では、空間構造を対象として、制振・免震工法を導入した高寿命・リサイクル型システムの開発とその地震時被害抑制法を検討する。まず、高寿命・リサイクル型空間構造の策定のため,内外の資料における空間構造(橋梁等も含む)の設計実例(支承部,下部耐震要素のユニット化,修復性のある部材構成)と設計コンセプトを調査するとともに、設計用の入力地震動、地震時崩壊解析システムの構築を行った。 空間構造物でよく用いられる構造形式の一つとして、山形トラスおよび山形アーチ構造を対象とし、この種の構造形式の地震応答性状および崩壊形式を分析するとともに、静的な地震荷重の提案を提案している。さらに、制振装置の導入位置や導入量と耐震性能の関係を定量的に分析し、制振装置の導入がこの種の構造物の耐震性向上に極めて有効であることを示した。 空間構造物の3次元的な構造形式の一つとして鉄骨ドーム構造を対象とし、下部構造にエネルギー吸収部材を導入することに、上部ドーム構造への地震入力を低減する「下部構造エネルギー吸収型ドーム構造」の提案を行った。大規模なドームの応答性状を容易に分析するための簡易質点モデルの提案、Push-over analysisに基づくドームの最大地震応答値や地震荷重の推定方法に提案した。また、下部構造と上部構造の間の支承部に免震層を導入することによりドームへの入力を低減する「ドーム構造の中間層免震」に考え方に基づき、中規模の空間構造物へ適用するための制振デバイスの提案も行っている。 これらの成果は国際シェル空間構造学会(IASS)の国際会議で発表するとともに、国内の学術雑誌に投稿した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 加藤史郎: "ラチスドームのPush-over analysisに基づく地震応答推定に関する一考察"日本建築学会構造系論文集. 第561号. 153-160 (2002)
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[Publications] 加藤史郎: "柱支持点から異なる地震動を受ける山形骨組の地震応答"鋼構造論文集. 第9巻36号. 113-128 (2002)
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[Publications] 中澤祥二: "下部構造降伏型単層ラチスドームの地震応答推定法"鋼構造年次論文報告集. 第10巻. 391-398 (2002)
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[Publications] S.Kato: "A New System of Intermediate Isolation for Space Structures Against Earthquakes"5^<th> International Conference on Space Structures. 1053-1062 (2002)
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[Publications] S.Kato: "Elastic Seismic Response and Equivalent Static Forces for Large Span Arches"Lightweight Structures in Civil Engineering, (LSCE2002). 524-529 (2002)
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[Publications] S.Kato: "Efficiency of Steel Hysteresis Dampers to Supress Earthquake Responses of Spatial Structure"Lightweight Structures in Civil Engineering, (LSCE2002). 583-590 (2002)