2002 Fiscal Year Annual Research Report
コンクリート用混和材としての無機粉体スラリーの安定化機構
Project/Area Number |
14550571
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小山 智幸 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 助教授 (50215430)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山田 英弘 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 助手 (80233625)
山口 謙太郎 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 講師 (10274490)
松藤 泰典 九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 教授 (20037922)
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Keywords | スラリー / 石炭灰 / 安定化処理 / コンクリート混和材 / 表面電位 / 未燃カーボン / 遊離石灰 / フライアッシュマグネタイト |
Research Abstract |
(1)粉体スラリー化装置の試作 石炭灰をはじめとする種々の粉体をスラリー化する装置を試作した。本装置により粉体と水を低速で長期間撹拌し,同時に気泡を発生させて異常膨張の原因となる遊離石灰の消化や未燃カーボンの除去,さらに磁石でフライアッシュマグネタイトの回収が可能であることを確認した。また本装置を用いて以下の検討を行い成果を得た。 (2)スラリー化及びその効果のメカニズム検討 スラリー化に伴う石炭灰の表面電位を測定し,表面が水中で負に帯電することにより安定なスラリーを形成すること,スラリー化した粉体どうしは互いに反発し合うため化学混和剤を使用しなくても容易に分散状態を保つこと,数日程度の撹拌を継続することにより,それ以降は撹拌を行わなくてもスラリーは安定化すること,従って表面電位によりスラリーの状態を評価可能であることを確認した。 (3)未燃カーボンの除去における諸条件の検討 石炭灰をスラリー化して未燃カーボンの除去を行った。その際,捕集剤(ケロシン)や起泡剤(パイン油)の量,スラリー濃度,撹拌時間,撹拌速度等に関して検討を行い,最適な処理条件を検討した。 (4)スラリー化粉体を大量使用したコンクリートの基本物性 スラリー化石炭灰を900kg/m^3(石炭灰として)まで大量混合し,フレッシュ性状および圧縮強度の発現性状を検討した。フレッシュ性状に関しては単位石炭灰量900kg/m^3でスランプフロー70cm前後の高流動コンクリートを得た。また,スラリー化により圧縮強度に悪影響がないことを確認した。即ちこのよう大量使用領域まで代表者らの提案する強度算定式が適用可能であることを確認できた。
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