2002 Fiscal Year Annual Research Report
スケーリング劣化に着目したコンクリートの耐凍害性に及ぼす粗骨材品質の影響
Project/Area Number |
14550576
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Research Institution | Hachinohe Institute of Technology |
Principal Investigator |
月永 洋一 八戸工業大学, 工学部, 教授 (60124898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿波 稔 八戸工業大学, 工学部, 講師 (10295959)
庄谷 征美 八戸工業大学, 工学部, 教授 (80006684)
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Keywords | コンクリート / 凍結融解 / 塩化物 / スケーリング / 粗骨材 / 吸水率 / 最大寸法 / 細孔構造 |
Research Abstract |
1.各種粗骨材の収集 骨材業者が示す密度、吸水率、安定性を指標として、JIS規格値を満たすものや外れるものなど、計13種類の粗骨材を収集した。 2.各種粗骨材の物理試験の実施と品質分類 収集した計13種類の粗骨材について密度、吸水率のほか、安定性、BS40tf破砕値、細孔構造および粗骨材自身の凍結融解抵抗性を調べ、JIS規格値をもとに品質分類を行なった。また、粗骨材の細孔径分布を指標としてコンクリートの耐凍害性を推算し、耐凍害性を3種類に区分した。これらの結果から、骨材の全細孔容積が同程度であっても平均細孔直径の大きさは異なり、骨材自身の凍結融解抵抗性は、骨材内部での水の移動性を反映する平均細孔直径と高い相関性を持つことが分かった。 3.凍結融解抵抗性を確保する調合を対象としたときの粗骨材品質の影響 コンクリートの凍結融解抵抗性には粗骨材の細孔構造特性が大きく関連し、凍結水量を反映する全細孔容積との相関性が高いことが分かった。また、一部実施したスケーリング試験において、密度および吸水率がJIS試験値を満足しても、スケーリング抵抗性は劣る場合があることを確認し、骨材の細孔構造の影響があると推察された。これらの結果から、コンクリートの耐凍害性を粗骨材の品質から評価するとき、従来から用いられている密度と吸水率だけでは十分に評価しきれない場合があることが分かった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 月永洋一: "コンクリート製品の製造条件によるスケーリング抵抗性に関する研究"第56回セメント技術大会講演要旨. No.56. 210-211 (2002)
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[Publications] 月永洋一: "凍結防止剤の影響を受けるコンクリート製品のスケーリング抵抗性に及ぼす製造条件の影響"セメント・コンクリート論文集. No.56. 398-403 (2003)
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[Publications] 阿波稔: "簡易引張強度試験によるコンクリート構造物の凍害劣化度評価"土木学会水辺のコンクリート構造物に関するシンポジウム論文集、コンクリート技術シリーズ45,II. No.45. 55-60 (2002)
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[Publications] 阿波稔: "細孔構造特性に着目した粗骨材の品質とコンクリートの凍結融解抵抗性"土木学会コンクリートの耐久性データベースフォーマットに関するシンポジウム論文集、コンクリート技術シリーズ46. No.46. 41-46 (2002)