2004 Fiscal Year Annual Research Report
高度モニタリングシステムを活用した建築構造物の損傷制御手法に関する研究
Project/Area Number |
14550577
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
三田 彰 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (60327674)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 佳生 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60312617)
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Keywords | 構造ヘルスモニタリング / 光ファイバセンサ / パターン認識 / システム同定 / サポートベクトルマシン |
Research Abstract |
最新のセンサネットワーク技術および信号処理技術を駆使した高度モニタリングシステムを活用した建築構造システムについて基礎的な研究を実施した。特に、今年度は実用的なハイブリッド光ファイバセンサを考案し、プロトタイプを製作するとともにその性能検証を行った。また、こうしたセンサを使った自動診断を行うために、パターン認識手法の一種であるサポートベクトルマシンを活用した自動診断システムについての研究を行った。 本年度の主な研究は次の通り。 1)ブラッグ格子型光ファイバセンサ技術に基づいて、歪および振動をひとつのセンサで同時に計測可能なFBGハイブリッドセンサを提案、試作、検証した。また、このセンサを用いて、振動および歪情報から損傷診断に必要な特徴ベクトルを構築して、自動的に損傷位置および損傷程度を診断する仕組みについて研究した。パターン認識にはサポートベクトルマシンを用いた。 2)高度モニタリングシステムの利用を前提として、ダンパを連層配置とせずに、特定の層に設置することで、建物の有効利用に資する制振構造についての研究を行った。より少ないダンパおよび設置層数によって、同等の制振効果を発揮する。 3)損傷制御の有力な手法であるアクティブ制振装置など、フィードバック制御機構を内包するシステムを持つ建物を対象として、そうした装置が稼動中に構造物の状態を同定可能な手法の研究を行い、インターサンプリング手法を用いることで、時々刻々の特性変化を捉えることが可能であることを示した。また、実験を行って、その有効性と課題を明らかにした。 4)モニタリングシステムの設置を念頭において、プレキャスト構造の接合部変形を許容し、主架構の損傷を弾性限度内とすることを目指した新しい損傷制御構造に着目し、その個別要素として接合部の破壊変形モデルを構築し、数値解析的に性能評価の可能性を検証した。
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Research Products
(5 results)