2003 Fiscal Year Annual Research Report
MRダンパーの実建築物への適用による機能性・居住性向上に関する研究
Project/Area Number |
14550586
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
藤谷 秀雄 神戸大学, 工学部・建設学科(建築系), 助教授 (10344011)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 波彦 独立行政法人建築研究所, 構造研究グループ, 主任研究員 (00370693)
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Keywords | 磁気粘性流体(MR流体) / 可変ダンパー / MRダンパー / 実建築物 / 免震構造 / 地震応答制御 / 地震応答観測 / 居住性・機能維持性能 |
Research Abstract |
平成14年度には実際の免震建築物にMRダンパーを設置した。採用した制御方法は、スカイフック制御である。平成15年度には、地震応答観測を継続した。またシミュレーションにより地震時の応答制御効果の検証を行った。 これまでの研究の結果、MRダンパーはビンガム・プラスチック・モデルで必要な精度を確保しながら、簡便にモデル化可能であることが分かっていたので。今回のシミュレーションでもMRダンパーをビンガム・プラスチック・モデルでモデル化した。 シミュレーションの結果、本課題の目標とした居住性および機能維持が課題となる中程度の地震動に対しては、応答変位を低減して安全性を向上させながら、絶対加速度も低減して居住性・機能維持性能を向上できる結果となり、MRダンパーを設置した効果が期待できることがわかった。複数の地震動波に対してシミュレーションを行ったが、いずれの場合も併設されているオイルダンパーが初期減衰定数の範囲(リリーフ荷重以下)にとどまり、MRダンパーとオイルダンパーによって、より効果的な性能向上が行えることが分かった。一方、大地震動を想定したシミュレーションの結果、中程度の地震の場合より効果は少なかったが、応答変位および絶対加速度の低減の効果は見られた。その結果、今回設置されたMRダンパーの容量は、中程度の地震動に対して、居住性・機能性を向上させるために適切な容量であったことが確認できた。 また研究成果を、国内外で発表した。海外の研究からも強い関心を持たれ、多くの問い合わせを受けた。 今後は、セミアクティブ制御された建築構造物の一般的な性能評価に研究を発展させたい。
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[Publications] Hideo FUJITANI, et al.: "Development of 400kN magnetorheological damper for a real base-isolated building"Proceedings of the SPIE's 10th Annual Int., Symposium on Smart Structures and Materials. 5052-31(CD-ROM). No.5052-31 (2003)
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[Publications] Hideo FUJITANI, et al.: "Application of Magnetorheological Fluid to Semi-active Control of Building Structures by BRI and Partners"Proceedings of 11 Asia Pacific Conference on Non-Destructive Testing. (未定). (2004)
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[Publications] 袖山博 他: "高知能建築構造システムに関する日米共同構造実験研究(その81)実免震建物用MRダンパーの基本特性"日本建築学会大会学術講演梗概集. 構造II. 909-910 (2003)
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[Publications] 袖山博 他: "実免震建物用大容量MRダンパの開発"日本機械学会 機械力学・計測制御部門講演会 Dynamics & Design Conference 2003. (CD-ROM). No.719 (2003)