2004 Fiscal Year Annual Research Report
未完成及び衰退郊外住宅地の居住者心理と再適合化過程に関する研究
Project/Area Number |
14550601
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
近江 隆 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50005451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石坂 公一 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40282115)
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Keywords | 郊外住宅 / 衰退化 / 高齢化 / 人口減少 / 地方中核都市 / 日常生活時間 / 空間変容 / 地区活性度 |
Research Abstract |
本年度は研究の最終年度として、前年までの研究結果を踏まえ、以下について検討を行うとともに研究の最終的なとりまとめを行った。 1.東北地方における人口移動状況の分析 今後の住宅市街地の衰退化傾向を予測するため、東北地方を対象として、地方中核市とそれ以外の地域の間の人口移動の分析を行った。国勢調査の人口移動データを用いた分析の結果、東北地方における移動圏域の構造は「東北--東北外」「北東北--南東北」・・「同一県内」という階層構造をなしていること、宮城・山形は一体となった移動圏域を構成していること、若い年代ほど宮城県・仙台市の比重が大きいこと等が明らかとなった。また、推計した推移行列を用いて将来の人口予測を行うと、どの地域でも人口は減少するが、特に中小都市・郡部における減少が著しく、今後は特に中小都市・郡部における市街地の衰退が懸念されることが判明した。 2.町丁目を単位とした仙台市の人口構造の分析 仙台市を対象に町丁目別の人口データを用いて、高齢化の進展状況、人口密度、高齢者の介護可能性、コーホート変化率といった観点から、仙台市の都市構造の分析を行った。分析の結果、地理的には都心から中間的な距離にある地域が最も高齢化が進行しやすい構造となっており、これらの地域では今後、人口減少にともない大量の住宅ストック(床面積)が「余剰」となることが予見された。現在は、中間地域における将来的旗余剰の発生が予測されながら、郊外部で新規開発が行われている状況にあり、中長期的な都市形成の方向としては必ずしも望ましくないと言える。また、仙台市のプランに沿って「コンパクト化」が実現されたと仮定した場合の人口分布を予測した。この結果、都心部での人口密度は増大するものの幅広い地域において現在よりも人口が減少し、これらの地域ではかなりの住宅・社会資本ストックの余剰が発生することが判明した。このことから、コンパクトシティを目指すにしても既存ストックの有効利用のためにはそのプロセスプランニングが重要であると言える。
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Research Products
(1 results)