2002 Fiscal Year Annual Research Report
成熟社会のまちづくりを支援する新たな財源に関する研究
Project/Area Number |
14550606
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
高見沢 実 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (70188085)
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Keywords | まちづくり / 財源 / ロッタリーファンド |
Research Abstract |
地方分権が進み都市計画法も改正されて、これからは、意欲のある市民や地域の担い手が創造的なまちづくりに携わることのできる社会の構築が求められている。国や地方自治体の役割も、そうした意欲を引き出し支援するものへと転換すべき時代である。本研究は、こうして成熟社会へと向かいつつある日本の現状を踏まえて、創造的なまちづくりを支援する新たな財源の実態と可能性につき調査研究を行うものである。研究は2つの柱からなり、第一は先進的な事例が豊富にみられるイギリスにおける主要財源の調査研究、もう第二はわが国における新たなまちづくり財源のあり方に関する調査研究である。平成14年度は第一の研究を中心に進めた。その結果、以下の点が明らかになった。 イギリスにおける1990年代の「チャレンジファンド」については、それがかつての補助金方式とは異なり、資金を使うべき質の高い事業に対して、その資金を運用できる主体に渡す方式であること、層の厚いNPOもその主体に参画していることなどがわかった。SRB(Single Regeneration Budget)については、それが極めて柔軟な制度であること、SRBの運用エリアは空間的にも多様で時には幾重にも重なっていること、近年、地域開発公社(イングランドでは9地域に設置)にSRBの運用が任されるようになり財源の面でも地域分権が進んでいること等が明らかになった。ロッタリーファンドにについては、その創設経緯とともに5本のファンド(ミレニアム、ヘリテージ、アート、スポーツ、チャリティー)ごとの運用上の特徴が概括的に明らかになった。このファンドは税金によらない個人からの自発的な財源であることが運用に際しても思い切った内容に投資できている(文化的事業に多い)点が注目される。
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Research Products
(2 results)