2004 Fiscal Year Annual Research Report
シルバーハウジングに居住する虚弱高齢者の生活支援ニーズとLSAの役割
Project/Area Number |
14550628
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
児玉 善郎 日本福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (80243327)
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Keywords | 高齢者住宅 / 生活支援 / 高齢者向け優良賃貸住宅 / 一人暮らし高齢者 / 居住不安 |
Research Abstract |
1.高齢者向け優良賃貸住宅におけるLSA配置の実態とその役割についての課題 虚弱高齢者が見守りを受けながら安心して住み続けられる住宅として、高齢者向け優良賃貸住宅が供給され、事例が徐々に増えてきている。そこで、高齢者向け優良賃貸住宅の事例を調査し、高齢者に対する生活支援サービスとそれを支えるLSAの課題について分析・考察を行い、以下の点が明らかになった。 第一に、30戸未満の供給事例においてLSAが配置されないことによる、居住者の安心が担保されないという課題があげられる。大都市部においては30戸以上の供給事例が多いが、地方都市においては30戸未満の小規模事例が多く、生活支援上の課題がある。30戸未満でLSAの運営補助は受けられないが、運営者の努力により、生活支援を担う人員を配置し、居住者の見守り、話し相手などの役割を担い、居住者から評価を受けている事例が存在することが把握できた。この実績を客観的に評価し、30戸未満の高齢者向け優良賃貸住宅におけるLSA配置への補助を検討する必要がある。 二つ目には、LSAを担う人材の資質、教育の問題があげられる。高齢者の生活支援に関する基礎的な知識や経験を持たないものが担っているために、生活支援や見守りが十分に機能していない事例が見られる。適切な人材を配置、養成することが課題である。 2.海外における生活援助の実態に関する調査 デンマークの高齢者住宅を訪問し、高齢者に対する生活支援の実態とそれを支える人材の特長についての視察調査を実施した。デンマークにおいては、小規模な高齢者住宅の供給が進められており、一人ぐらしであっても居室を2室確保した住宅への改善、整備が進められている。高齢者住宅における生活支援サービスを担う人材としては、専門的な教育を受けた人材を配置するとともに、配置後においても、居住者の個々の状態に合わせたきめ細かいサービスを提供することに重点をおき、定期的に第三者による職員評価と再教育を行うシステムを整備しているところに特長がある。
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Research Products
(2 results)