2005 Fiscal Year Annual Research Report
シルバーハウジングに居住する虚弱高齢者の生活支援ニーズとLSAの役割
Project/Area Number |
14550628
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
児玉 善郎 日本福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (80243327)
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Keywords | 高齢者住宅 / 住生活支援 / 高齢者向け優良賃貸住宅 |
Research Abstract |
1.高齢者の居住の安定確保に関する法律、制度に関する動向の分析 国においては、従来の住宅建設計画法を廃止し、住生活基本法案の成立をめざした取り組みが行われていることがわかった。検討されている法案の趣旨においては、これまでの建設計画法のように住宅建設の量的な目標を中心に据えるのではなく、「住生活の安定の確保及び向上の促進」を図ることをねらいとしている。 一方、介護保険法が改正され、高齢者の地域での居住継続を担保する施設、サービスの充実が図ることが改正のポイントの一つとしてあげられている。 また、障害者自立支援法が成立し、2006年4月1日から施行される。その中で、障害者の地域での居住生活をサポートする、居住サポート事業が新たにはじめられる。知的障害者、精神障害者が公営住宅、民間賃貸住宅で自立した生活を送ることを居住生活レベルで支援する取り組みである。 以上のように、高齢者、障害者の地域での居住継続を支える法律、制度が相次いで制定、施行される動きにあり、居住施設の整備と生活支援のあり方を合わせて検討していくことの重要性が認識されるようになってきたことが把握できた。 2.高齢者向け優良賃貸住宅の新しい取り組み 高齢者向け優良賃貸住宅(以下、高優賃)の整備は、当初計画したようには進んでいない。しかし、その中でも特長的な取り組みについて、調査により把握した。愛知県名古屋市内の公社住宅の建て替えに伴う整備においては、約300戸の住宅の内100戸といったまとまった数の高優賃を整備している。立地条件が良いこともあり、応募者は多く、高い倍率となった。敷地内には、新たに高齢者向けの生活支援サービスを提供する民間サービス事業所を誘致し、整備している。団地内の入居者の利用料金は、一般より安くするという条件をつけた上で、事業者のテナント料を低くするという工夫を行っており、今後の都市型の高優賃における居住者への生活支援のあり方に示唆を与える取り組みであることがわかった。
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Research Products
(2 results)