2002 Fiscal Year Annual Research Report
都市の繁華街・銀座にみる第二次大戦後の建築機能分布の変遷に関する歴史的研究
Project/Area Number |
14550640
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
初田 亨 工学院大学, 工学部, 教授 (10100356)
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Keywords | 東京 / 銀座 / 都市 / 商店・事業所 / 昭和28年 / 建築機能 / 分布 |
Research Abstract |
東京都中央区の銀座の商店・事業所について、昭和28年に存在した商店・事業所について、情報文化機能(情報文化施設、諸芸指南)、業務管理機能(業務管理施設)、社交娯楽機能(社交施設、娯楽施設)、買い回り品販売機能(生活用品販売施設、非生活用品販売施設)、生活関連機能(生活関連施設、宿泊施設、職人・製作所)、飲食食品機能(食品販売施設、嗜好品販売施設、外食施設)の6つの機能、13の施設に分類し、それらがどのように分布していたか地図上にプロットすることで、昭和28年の銀座の特性を読み込んでいる。 昭和28年の、建物一軒一軒の機能まで知ることのできる資料は、それほど多くない。ここでは、『銀座ガイド 1954』を使用した。しかし、ここに掲載されている商店・事業所もそれほど多くないため、昭和28年に近い時期に作成された「銀座現勢図 昭和28年11月現在」や「昭和20年代の火保図(火災保険図)」によって補い、銀座全域の商店・事業所を明らかにすることを試みた。 明らかになった商店・事業所は全部で2049例あった。そのうち、飲食食品機能の外食施設と社交娯楽機能の社交施設、買い回り品販売機能の生活用品販売施設が多く、1395例あり、全体の68.1%を占めている。これらの商店・事業所は、付近の住民を相手とするよりも、比較的広域な範囲の客を相手とする性格をもっている点にある。この頃の銀座が、地域生活と密着した近隣型の商店街でなく、広域型の性格を強くもっていたことがわかる。
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