2003 Fiscal Year Annual Research Report
都市の繁華街・銀座にみる第二次大戦後の建築機能分布の変遷に関する歴史的研究
Project/Area Number |
14550640
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
初田 亨 工学院大学, 工学部, 教授 (10100356)
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Keywords | 銀座 / 繁華街 / 昭和40年 / 商店・事業所 / 建築機能 / 分布 |
Research Abstract |
高度成長期が一段落し、東京オリンピックによる建設ブームも終えた昭和40年の銀座を対象に、商店・事業所の分布を明らかにした。 具体的には、昭和40年3月3日に印刷・発行された『全住宅案内地図帳』を用い、建築機能の分布を明かにし、情報文化機能(情報文化施設、諸芸指南)、業務管理機能(業務管理施設、会社倉庫)、社交娯楽機能(社交施設、娯楽施設)、買い回り品販売機能(生活用品販売施設、非生活用品販売施設)、生活関連機能(生活関連施設、宿泊施設、職人・製作所)、飲食食品機能(食品販売施設、嗜好品販売施設、外食施設)ごとの商店・事業所の分布図を作成し、その特徴を分析している。また『全住宅案内地図帳』だけでは、機能が定かでないものも多くあるので『東京都23区職業別電話番号簿』も利用して補った。調査対象地域は、昭和28年などの先行研究と同じにしている。 1416例の商店・事業所の機能が特定できたが、そこからみられる特徴は、社交施設が389例(27.5%)、生活用品販売施設が296例(20.9%)、業務管理施設が240例(16.9%)、外食施設が179例(12.6%)と、比較的広域な範囲の客を相手にする商店・事業所が多くみられた。対照的に、生活関連施設が97例(6.9%)、職人・製造所が0例、食品販売施設が15例(1.1%)と、地域の生活者と密接な関係をもった近隣型の商店・事業所が非常に少ないことが明らかになった。 また、生活用品販売施設が銀座の中央通りと4丁目の交差点を中心に面的に大きく広がっていること、外食施設が中央通りに少なく周辺に多く分布していることなども明らかになった。
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