2002 Fiscal Year Annual Research Report
バブルの動的挙動をセンサーとしたカスケード損傷効果の研究
Project/Area Number |
14550654
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
小野 興太郎 島根大学, 総合理工学部, 教授 (40106795)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北條 喜一 日本原子力研究所, 極限物性研, 室長
荒河 一渡 島根大学, 総合理工学部, 助手 (30294367)
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Keywords | ヘリウムバブル / 電子顕微鏡 / 照射損傷 / Fe-Cr合金 / Cu |
Research Abstract |
1)放射化フェライト鋼核融合炉材料中のヘリウムバブルの挙動を調べる目的で,FeおよびFe-9Cr中のヘリウムバブルの形成,移動過程を電子顕微鏡その場観察とEELSにより調べた。10keVHe^+イオンの照射下では,Crの添加により低照射領域でスエリングが遅れること,また600℃以上の高温域では減少することを見出した。また,EELSの測定より,Crがバブル表面に偏析する様子が見い出され,このことがスエリング挙動の遅延化をもたらしていると考えられる。 2)低エネルギーのHe^+,H^+,1000keVe^-照射下でのFe中の転位ループの形成過程を電子顕微鏡観察により調べた。3種類の照射(dpa rateを揃えた)によって形成される格子間原子型転位ループの温度依存性,ループの深さ分布を調べた結果,ヘリウム-原子空孔複合体が最も強く格子間原子を捕獲し,転位ループの形成を促進することが分かった。 3)Cu試料に400keVCu^+イオンを照射した時に形成されるカスケード損傷により,バブルの移動が間歇的に誘起されることを見出した。熱的な移動が起こらないような温度領域で,このように誘起されるバブルの移動は,照射により,まず格子間原子型転位ループが形成される結果,バブルは転位線に沿って容易に移動できるようになる事,また転位線近傍の化学ポテンシャルの勾配も移動を助けていることも見出した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Ono et al.: "Formation and Migration of Helium Bubbles in Fe and Fe-9Cr ferrite alloy"Journal of Nuclear Materials. 307-311. 1507-1512 (2002)
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[Publications] K.Arakawa et al.: "Formation Process of Dislocation Loops in Iron under Irradiation with Low Energy Helium Ions, Hydrogen ions or high Energy Electrons"Journal of Nuclear Materials. 307-311. 272-277 (2002)
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[Publications] K.Ono et al.: "Intermittent Rapid Motion of Helium Bubbles in Cu during Irradiation with High Energy self-Ions"Nuclear Instruments and Methods. (in press). (2003)