2003 Fiscal Year Annual Research Report
名放射光を利用した固溶体セラミックス結晶の局所構造解析技術の高度化
Project/Area Number |
14550663
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
石澤 伸夫 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助教授 (90151365)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 修治 信州大学, 工学部, 教授 (50021027)
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Keywords | 機能性無機化合物 / 構造解析 / 電子密度分布解析 / 放射光X線 / 局所構造 |
Research Abstract |
単結晶構造解析は,放射光の利用と微小結晶の使用によって,ここ数年間に大きな進展が見られ,わずか数%しか固溶していない原子でも,固溶に伴う局所構造の歪みを正確に検出できるようになった.この歪みは,置換原子のまわりの局所構造と被置換原子のまわりのそれとの重ね合わせ,すなわち「平均構造」として現れる.しかし,同方法をEXAFSや計算機シミュレーションと組み合わせることにより,両者の長所のみ取り出して,三次元的な局所構造についての詳細な描像を得ることが技術的に可能になった.新しい手法の有効性を訴えるために多くの重要な固溶体結晶について実験を行い、いくつかの重要な結果を得た。主な研究対象は三次元ナノチャネル構造をとるRb3Ta5014化合物、これとまったく違う構造をとるRb4Ta6017化合物およびその多形、La2CuO4高温超伝導体、およびそのSr置換体、LiMn204イオン導電体、およびそのMg置換固溶体などである。これらについて放射光を用いた電子密度分布解析、EXAFS解析、分子動力学シミュレーション、格子力学シミュレーションなどを行い、局所構造のひずみに関する知見を得た。また、これらの計算に必要なソフトウエアの開発を行い、Xtalプログラムパッケージの更新を行った。Rb3Ta5014、LiMn204、La2CuO4高温超電導体およびその置換固溶体に関してはその局所構造のひずみに関する新しい知見をまとめ、投稿論文にまとめつつある。特にLiMn204の局所構造とイオン導電性との関係については研究上の大きな進展がみられ、成果を環太平洋セラミックス国際会議や、アジア結晶学連合会議などの国際会議で発表した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kenji Tateishi, Douglas du Boulay, Nobuo Ishizawa: "The effect of mixed Mn valences on Li migration in LiMn_2O_4 spinel : A molecular dynamics study"Applied Physics Letters. 84[4]. 529-531 (2004)
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[Publications] D.du Boulay, A.Oono, N.Ishizawa: "Reinvestigation of the structure of Cs_3Ta_5O_<14>"Acta Crystallographica Section C. E59. i86-i88 (2003)
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[Publications] Nobuo Ishizawa et al.: "Structural Disorder and Lithium Diffusion Pathway in Cubically-Stabilised Lithium Manganese Spinel. I. Synchrotron X-ray Studies"J.Solid State Chem.. 174[1]. 167-174 (2003)
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[Publications] kenji Tateishi, Douglas du Boulay, Nobuo Ishizawa, Katsuyuki K.: "Structural Disorder Along the Lithium Diffusion Pathway in Cubically-Stabilised Lithium Manganese Spinel. II. Molecular Dynamics Calculation"J.Solid State Chem.. 174[1]. 175-181 (2003)