2003 Fiscal Year Annual Research Report
逆ミセル微小反応場によるハイブリッド型蛍光体ナノ粒子の合成および発光特性
Project/Area Number |
14550678
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
磯部 徹彦 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (30212971)
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Keywords | ZnS:Mn / 逆ミセル / フォトルミネッセンス / ナノ蛍光体 / ナノクリスタル / 量子ドット |
Research Abstract |
逆ミセル法により合成されるZnS:Mn^<2+>ナノ粒子をシリコーン樹脂中へ分散させた蛍光シートの光吸収・蛍光強度の測定を行い、ナノ蛍光体の透光性がもたらす効果を評価・検討した。蛍光体量は4.5wt%で同一であるが,ナノ分散シートはバルク分散シートに比較して透明性が高い.このように,ナノ粒子の1次粒子サイズが数nmまで小さくなると,光散乱強度が著しく低下することがわかる.ナノ分散シートのZnSの吸収端はバルク分散シートに比較してブルーシフトしていることから量子サイズ効果が確認できる.蛍光波長580nm付近では,ナノ分散シートの透過率はバルク分散シートに比較して約2倍高い.これより,ナノ分散シートはバルク分散シートに比べ、シートを透過して取り出せる蛍光が多いことがわかる.励起光に対して90°の方向で蛍光を検出したところ、MgO板を用いた場合の蛍光強度は用いない場合に比べ,ナノで2.0倍,バルクで1.3倍増大する.MgO板の使用による蛍光強度の増大は,後方に生じた蛍光がMgO板により前方へ反射されて検出されたためである.これより,ナノ分散シートでは透光性が高いため,MgO板によって蛍光の取り出し効率が倍増されたと解釈できる. 以上より、逆ミセル法から得られた粒子を分散させたナノ分散シートは,バルク分散シートに比較して高い透過率を持つために,蛍光を効率よく取り出すことができる.この理由は,バルク分散シートでは後方散乱による損失が生じるのに対し,ナノ分散シートでは後方散乱が無視できるほどに低下するためである.このような透光性ドープ型ナノ蛍光体の特徴は多様な用途への応用が期待される.
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Research Products
(2 results)