2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14550683
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
尾中 晋 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (40194576)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤居 俊之 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (40251665)
加藤 雅治 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (50161120)
|
Keywords | 弾性ひずみエネルギー / マイクロメカニックス / 円環体 / 材料強化 / 析出物 |
Research Abstract |
ドーナツ型第二相が材料の強化に及ぼす影響を考察している.平成14年度は,以下に記す実験的および理論的な研究を行った. Cu-Si固溶体合金多結晶の内部酸化処理を種々の酸素分圧と温度のもとで行い,酸化珪素SiO2を粒界上に生成させる実験を行った.Cu母相中の第二相となる内部酸化によって得られる酸化珪素は,Cuに比較して塑性変形が起こり難く,材料全体の強度を高める効果を持つことが知られている.内部酸化条件の変化により粒界上の酸化珪素の形態は様々に変化し,一部の試験片で意図するドーナツ型第二相を得ることができた.しかし,ドーナツ型第二相の生成条件の詳細にはまだ不明の点が多く,安定してドーナツ型第二相を生成することができる条件を得るための実験を継続して行っている. ドーナツ型第二相が材料中の応力状態をどのように変化させるかを明らかにするための,マイクロメカニックスによる理論的な計算を行った.第二相と母相の弾性的,塑性的変形挙動の違いを一般化する議論として,第二相内にのみ発生する固有ひずみとそれによる応力場の変化のあいだの関係を弾性論におけるグリーン関数を使って調べた.ドーナツ型第二相内部の固有ひずみとそれによるドーナツ型第二相内部の平均全ひずみを結びつける平均的Eshelbyテンソルを求めた.また,固有ひずみによって,ドーナツ型第二相が母相中にどのような応力場をもたらすかを計算した.これらの得られた結果から,ドーナツ型第二相が材料にもたらす応力状態を解明し,材料強化への寄与の程度を定量化する考察を行っている.
|