2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14550687
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
堀 史説 大阪府立大学, 先端科学研究所, 助手 (20275291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 良一 大阪府立大学, 先端科学研究所, 講師 (60155215)
大嶋 隆一郎 大阪府立大学, 先端科学研究所, 教授 (50029469)
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Keywords | 陽電子消滅法 / 金属疲労 / 陽電子ビーム / 格子欠陥 / 転位 / 原子空孔 |
Research Abstract |
種々のサイズの高純度の鉄JIS規格疲労試験試料を加工し更に純化および焼鈍し、これらの試料の陽電子寿命測定により未疲労状態での格子欠陥が陽電子消滅法で検出限界以下であることを確認し、一部試料に対して疲労試験をおこない試料の広い範囲にわたって陽電子寿命・ドップラー拡がり測定を行った。低疲労領域での欠陥の分布について測定した結果、欠陥分布が試料の中心付近にピークを持ちその両端では少ないガウス分布的な拡がりを持つことが確認され、このうち特定部位に10%Nf(100%=破断)前後の疲労サイクルで急激に3次元的な空孔集合体が形成されることなどがわかり陽電子測定に敏感に反映されることがわかった。また、ピーク以外の部分での欠陥は転位と転位線上に捕獲された原子空孔の陽電子寿命計算とも一致し、疲労においても転位の発生が支配的であり、転位上での空孔の拡散・成長が亀裂発生の重要な要因であることが示唆された。これらの結果は他の合金系でも同様の傾向を持つ結果が得られた。現在はさらに試料サイズの異なる試験片についても同様の実験を継続中である。一方、陽電子ビーム装置の設計はほぼ終了し、工作・作製および陽電子ビームの軌道計算を現在進行中である。また、放射性同位元素から発生した陽電子の加速電圧および、到達陽電子数についても現在計算を行っており生成される陽電子ビームのエネルギー等を考慮しながらビームの加速管の加工などもおこなっている。
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Research Products
(1 results)