2002 Fiscal Year Annual Research Report
炭化ケイ素結晶の異方性:高温酸化と表面プロセス変形によるアプローチ
Project/Area Number |
14550696
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
成島 尚之 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20198394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井口 泰孝 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90005413)
大内 千秋 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00312603)
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Keywords | 炭化ケイ素 / ネガティブクリスタル / 高温酸化 / 表面自由エネルギー / オゾンガス / 異方性 / プロセス変形 / 速度論 |
Research Abstract |
炭化ケイ素(SiC)結晶の異方性は、焼結時の空隙形状、クラックヒーリング、単結晶合成等の実用的に重要なプロセスを支配する因子であるばかりでなく、表面拡散や表面自由エネルギーといった学術的に興味深い諸量とも密接に関連している。本研究では炭化ケイ素結晶の異方性を高温酸化および表面プロセス変形の観点から明らかにすることを目的としている。 (1)炭化ケイ素のオゾンガス酸化 CVD法により合成された炭化ケイ素を試料として、オゾンガス-酸素混合ガス中(オゾンガス分圧:0.07atm)、573〜1273Kの温度範囲で試料表面に形成されるシリカ皮膜厚さをエリプソメータで測定することにより酸化速度を評価した。全温度範囲で(0001)Si面よりも(0001^^-)C面で酸化速度が大きいことがわかった。これは従来、酸素中で報告されている傾向と良く一致し、オゾン含有雰囲気においても(0001^^-)C面における大きな酸化速度が確認された。773K以上で放物線則が観察されたことから、オゾンからの解離反応により形成される原子状酸素の酸化皮膜中の拡散が酸化の律速段階と考えられた。一方、573および673Kでは、直線則的な挙動が確認された。この現象は、本研究で初めて見出されたもので、現在、低温領域における酸化機構に関しては検討中である。 (2)炭化ケイ素表面プロセス変形 {0001}、{101^^-0}および{121^^-0}配向の炭化ケイ素単結晶中へ、リソグラフイック-イオンエッチング-ホットプレス法によりネガティブクリスタルを導入し、2473Kにおいて熱処理に伴うネガティブクリスタル形状変化観察を行った。その結果、{0001}が安定であることおよび{121^^-0}が不安定であることが確認された。現在、ネガティブクリスタル形状変形の変形速度に関する検討を行っている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Narushima: "Oxidation of Silicon and Silicon Carbide in Ozone-containing Atmospheres at 973 K"J.Am.Ceram.Soc.. 85[8]. 2049-2055 (2002)
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[Publications] 井口泰孝: "セラミックス表面・界面の異方性"日本学術振興会 製鋼第19委員会 反応プロセス研究会提出 資料,19委-12032,反応プロセス-III-46. 1-12 (2003)
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[Publications] T.Narushima: "Oxidation of Boron Carbide-Silicon Carbide Composite at 1073 to 1773 K"Mater.Trans.. 44[3]. 401-406 (2003)