2002 Fiscal Year Annual Research Report
レーザーインパクト法による大型構造物の欠陥の遠隔映像化技術
Project/Area Number |
14550697
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
長 秀雄 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60296382)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 一司 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00292227)
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Keywords | フォトリフラクティブ結晶 / はく離検査 / 位相差分法 / 振動映像法 |
Research Abstract |
平成14年度は加振同期映像技術の基本となる振動映像装置の光学系の開発を主に行った。本研究では、粗面や複雑な形状にも対応でき、大型構造物の評価に必要な低周波数帯の振動の面分布が短時間に感度良く可視化する必要があるため、フォトリフラクティブ結晶を用いたダイナミックホログラフィーに着目し、新しい画像処理を取り入れた高感度振動映像化法(位相差分ダイナミックホログラム(Phase diffrence : PD)法の開発を行い、従来の時間平均ダイナミックホログラム(Time Average : TA)法との感度比較を行い、ビルの外壁用タイルに人工はく離を導入した試料を用いて欠陥評価を行った。 1.PD法の特徴 TA法は、試料の振動成分を含んだ信号光と参照光を用いてフォトリフラクティブ結晶内に振動を反映した回折格子を形成し、それにより回折された参照光から振動を画像化する方法である。一方、今回開発したPD法は、参照光の位相を位相変調器を用いて制御し、位相が180度異なる2枚の振動画像を取得し、差分することで振動を画像化する方法である。これにより、微小振動に対する感度が増幅され、さらにバックグランド光成分が除去されるのでTA法に比べ高感度・高S/N比を実現することができる。 2.感度比較 感度の比較のため丸底(直径25mm)に絞り加工した金属薄板の共振(周波数6.4kHz,最大振幅±0.18nm)の画像化を試みた。TA法では、共振の様子の画像を確認できなかったが、PD法では明瞭に画像化できた。また、PD法では、輝度の明暗により振動の位相情報も得られた。 3.タイルのはく離検査 外壁用タイル(45mm×95mm×6mm)にさまざまな大きさの人工はく離欠陥を導入した試料に加振し、振動の様子をPD法を用いて観察した。その結果、健全部では振動は観察されないが、はく離部では、はく離形状に依存した共振映像が得られ、その映像からはく離欠陥の有無および位置の同定ができた。
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