2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14550698
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
林 滋生 秋田大学, 工学資源学部, 助教授 (20218572)
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Keywords | 鉱物 / 電気泳動堆積 / 成形 / 微粉末 / 固定 / 吸着 / 環境浄化 / ゼオライト |
Research Abstract |
イオン交換能や吸着能を有する機能性天然鉱物微粉末を多数の貫通孔を有する形態に成形することで,環境中に投入するだけで迅速に有害物質を吸着・回収することができる「環境浄化モジュール」を作製することを目標として,天然ゼオライト等の微粉末の金属基材上への電気泳動堆積ならびに固定化について検討するのが本研究の目的である。本年度は特に,秋田県産天然ゼオライト(クリノプチロライト)微粉末成形体中の粒子の,化学的手法による固定化について検討を行った。天然ゼオライト粉末を遊星回転ボールミルによって平均粒径約0.7μmまで微粉砕し,一軸加圧成形ならびに静水圧成形(CIP)によって直径20mm,重さ1gのペレット状試料を作製した。これを,蒸留水450cm^3を用いて調製したX型合成ゼオライト出発原料(Na_2O:Al_2O_3:SiO_2:H_2O=1.0:0.18:0.71:40)中に投入,90℃で6〜72時間保持することによって,粒子間でのX型ゼオライトの析出による天然ゼオライト粒子間の結合を試みた。微構造観察によると,時間の経過につれて粒子の成長と粒子同士の結合の発達が見られたが,結晶相がクリノプチロライトからP型ゼオライトへ変化したことが分かった。即ち,当初の目標とは異なり,ゼオライト結晶相そのものが変化するという結果となったが,比較的低温域の化学的処理におけるゼオライト粒子固定化の可能性が示された。ゼオライト結晶相の変化速度ならびに粒子形態の変化速度はX型ゼオライト出発原料の濃度に依存し,例えば結晶相の変化が検知されるまでに,原濃度では6時間かかるものが,原濃度から1/10になると48時間を要することが分かった。今後は,P型ゼオライトの吸着能の検証や,成形体の強度の見積りが必要になると考えられる。
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