2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14550698
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
林 滋生 秋田大学, 工学資源学部, 助教授 (20218572)
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Keywords | 環境浄化 / 吸着材 / 電気泳動堆積 / 微粉末 / モジュール化 / 鉱物 / ゼオライト / オパールCT |
Research Abstract |
吸着能を有する天然鉱物の「モジュール化(多孔状基材表面へのコーティング)」によって「投入型環境浄化モジュール」を実現させることを最終目標とし,その電気泳動堆積による作製プロセスを最適化するために,種々の天然原料微粉末の電気泳動堆積特性,さらには固定化手法について検討することを研究の目的とした。本年度は主として,(1)固液反応を用いた天然ゼオライト(クリノプチロライト,秋田県産)微粉末堆積物の固定化に及ぼす反応物質の組成の影響,ならびに(2)オパールCT(秋田県産)微粉末の電気泳動堆積挙動について検討を行った。(1)については,電気泳動堆積によって支持体表面に堆積したゼオライト微粉末の固液反応による固定化において,ゼオライト堆積物と反応させる物質の組成を,ゼオライトX原料を基準に様々に変化させて影響を調べた。その結果,組成の変化に対応して,堆積した天然ゼオライトがハイドロキシソーダライト,P型ゼオライト,Y型ゼオライト等の様々な種類のゼオライトに変化することが分かった。このことは,反応条件を調整することで,様々な吸着物質に対応する環境浄化モジュールが作製可能であることを意味する。ただし,得られた膜の強度は不十分で,今後の検討が必要と考えられる。(2)については,非常に高い比表面積を持ち,表面への有機物などの吸着が期待できるため,環境浄化用途に有望視されているオパールCT微粉末の電気泳動堆積を試みた所,一次粒子が非常に微細で凝集しやすく,安定した堆積膜を得るのが困難なことが分かった。そこで,堆積が容易に起こるガラス粉末と同時に堆積させることで,安定な堆積膜を得られることが明らかになった。この手法は,他の電気泳動堆積が困難な微粉末についても,応用が可能と考えられる。以上の様に,本研究の結果,機能性天然鉱物の環境浄化目的での高度利用について,いくつかの新たな知見を得ることができた。
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