2002 Fiscal Year Annual Research Report
廃プラスチックを利用した無機/有機ナノ複合膜の合成とガス薄膜センサーへの応用
Project/Area Number |
14550701
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
藤木 一浩 上越教育大学, 学校教育学部, 助手 (60251865)
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Keywords | 廃プラスチック / 無機超微粒子 / カーボンブラック / 表面グラフト化 / ゾル-ゲル反応 / 金属アルコキシド / 無機 / 有機複合膜 / ガスセンシング機能 |
Research Abstract |
本研究の目的は、発泡スチロール及びPETボトルの廃プラスチック材料を用いて、表面に各種のポリマーを化学結合(グラフト)した導電性の無機超微粒子との共在下で、ケイ素アルコキシド等のゾル-ゲル反応を行うことにより、ポリマーや無機超微粒子がマトリックスゲル中にナノレベルのオーダーで均一に分散した柔軟性を有する導電性無機/有機複合膜を合成することにある。さらに、添加する廃プラスチックと無機超微粒子表面のグラフトポリマー鎖との種類を適宜変化させて組み合わせることにより、得られる複合膜の吸着特性を任意に制御する手法を確立して、種々の溶媒蒸気や気体分子に対して選択的に応答する機能、すなわち、ガスセンシング機能を付与し、この選択的吸着能を複合膜の電気抵抗値の変化で検出するガス薄膜センサーへの応用についても試みる。 平成14年度は、導電性無機超微粒子としてカーボンブラック(CB)を選択し、ゾル-ゲル法による廃プラスチック材料からのポリマーと導電性無機超微粒子とを含有する無機/有機ナノ複合膜の合成について検討した。 CB表面に存在するOH基を足場として、粒子表面にポリスチレンやポリエステルをグラフトすることにより、廃プラスチック材料であるポリスチレン及びポリエチレンテレフタレート中に均一に分散するポリマーグラフト化CB粒子を合成(グラフト率:3〜20%)した。また、ポリスチレン及びポリエチレンテレフタレートと親和性を有するマトリックスゲルを合成するために、ゲルを構成する金属アルコキシド成分について詳細に検討した結果、フェニル基を置換基として有するケイ素アルコキシドを用いると、ポリマーが均一に分散したマトリックスゲルを合成できることがわかった。 このようなケイ素アルコキシドを用いて、廃プラスチック材料からのポリスチレン及びポリエチレンテレフタレートと、ポリマーグラフト化CBとの共存下でゾル-ゲル反応を行ったところ、ポリマーと無機超微粒子の2つの成分がマトリックスゲル中に均一に分散した無機/有機複合ゲルが合成でき、これをフィルム状にキャストすることにより薄膜化できることが明らかになった。
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