2003 Fiscal Year Annual Research Report
微細構造を考慮した焼結クラック予測モデルの構築と積層粉末成形体の最適理論設計
Project/Area Number |
14550704
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
品川 一成 香川大学, 工学部, 助教授 (30215983)
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Keywords | 焼結 / 構成式 / 有限要素解析 / 傾斜機能材料 |
Research Abstract |
アルミナ/ステンレス鋼粉末積層成形体の焼結挙動,クラック発生状況の調査を基に焼結欠陥に及ぼす焼結特性,積層構造,微細構造の影響を明らかにした.これらを基に内部応力低減のための理論的な材料設計の指針を打ち出し,実験により妥当性を確認した. 1.焼結クラックの発生条件 平成14年度で調査した微細構造,焼結特性と焼結欠陥発生状況より,焼結クラックはアルミナ100%層において粉末同士の接合が弱い焼成初期に,わずかな引張応力が作用するような条件で発生することがわかった.これよりクラック抑制のためには応力値の大小よりも正負(引張・圧縮)そのものに着目すべきであり,さらに焼結特性の調整だけではアルミナ100%層で発生する応力を確実に圧縮側にすることが困難であることもわかった.これより焼結特性の調整と重りによる単軸加圧を併用し,曲げの引張応力を圧縮に転換する方法を考案した.また,焼結クラックが抑制されると冷却中の熱応力によるクラックが顕在化することから,材料設計には焼結解析と熱応力解析の両方を同時に考慮する必要があることがわかった. 2.積層粉末成形体の設計 平成14年度に開発した焼結解析法にさらに熱応力解析を加え,焼結・冷却プロセスにおいて発生する内部応力を計算できるように改良した.これと平板の曲げ理論を利用した簡易解析法を併用し,焼結特性(粘性係数,焼結応力)と熱機械特性(弾性係数,熱膨張率)をパラメータとして積層構造と内部応力の関係を整理した.これより焼結特性の調整と重りによる単軸加圧,さらに積層構造の調整により焼結と冷却時の内部応力を同時に低減する方法を見出した.実際に焼結実験によりクラック低減の確認した.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Shinagawa: "Internal Stress Diagrams of Sintering Stress versus Viscosity for Graded Multilayers"JSME Int.J.. 46・3. 378-383 (2003)
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[Publications] 品川一成, 横田耕三, 白川寛, 冨野寿和: "圧粉体の微細構造および焼結挙動に及ぼす異種粉末混合の影響"日本機械学会2003年次大会講演論文集(I). 425-426 (2003)
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[Publications] 品川一成, 平島 康: "焼結中の粉末積層材の内部応力に及ぼす単軸加圧の効果"日本機会学会第11回機械材料・材料加工技術講演会講演論文集. 149-150 (2003)