2003 Fiscal Year Annual Research Report
超音波界面制御プロセスを用いた超砥粒電着砥石の砥粒保持力向上化
Project/Area Number |
14550715
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Research Institution | TOYOTA TECHNOLOGICAL INSTITUTE |
Principal Investigator |
奥宮 正洋 豊田工業大学, 工学部, 助教授 (20177182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今田 康夫 豊田工業大学, 工学部, 助手 (90148354)
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Keywords | 超音波 / cBN / 無電解Ni-Pめっき / 成膜速度 / 微小硬さ試験機 / 保持力 |
Research Abstract |
電着砥石の砥石寿命を伸ばすためには砥粒の突出量を増加させる必要があるが,砥粒の突出量を多くすると砥粒の保持力が低下するため,電着砥石ではマトリックス金属と砥粒界面の接触形態を改善する必要がある.超音波振動を印加するとマトリックス金属の成膜速度が向上するとともに砥粒の周りにマトリックス金属が砥粒に沿って析出する.超音波振動を印加するとマトリックス金属が砥粒にそって析出するのは,砥粒であるcBNの熱伝導が大きく,超音波振動によって発生した熱によって界面の温度が上昇し,無電解Ni-Pめっきの成膜速度が局所的に向上させられたためである.超微小硬さ試験機により砥粒に横方向の荷重を負荷してマトリックスから脱落するまでの荷重を測定し,砥粒界面の接触形態が砥粒保持力に及ぼす影響を調査した.超音波無加振に比べ,振幅11μmで作成された界面形態は,保持力が22%増加する.これは,砥粒/マトリックス海面の盛り上がりによる.また,FEMによる砥粒/マトリックスの界面およびマトリックス中の応力解析を行った.その結果,砥粒/マトリックス界面の引張応力は,垂直方向の盛り上がり厚さに比例して低下した.無加振の界面形態に比べ,振幅11μmで形成した盛り上がった界面形態では,保持力が91%増加する.これは,盛り上がりによる砥粒支持効果によって砥粒/マトリックス界面の引張応力が低下し,砥粒保持力が増加したためである.超音波の振幅に対する実際に砥粒に横方向の荷重を負荷して砥粒脱落までの応力を測定した値の推移は,超音波の振幅に対するFEMにより求めた砥粒/マトリックス界面の応力の推移と同様の傾向を示す.
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