2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14550719
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
セルゲイ コマロフ 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教授 (20252257)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平沢 政広 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (90126897)
亀田 知人 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (60333895)
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Keywords | リサイクリング / スラッジ / 選択塩化 / 高温反応 / 真空蒸留 / 希土類磁石 / ランタノイド |
Research Abstract |
本研究では,希土類磁石スラッジにFeCl_2を添加することによって系内の塩素分圧をFe/FeCl_2平衡とし,さらには系内の雰囲気を不活性ガス下の炭素還元雰囲気とすることにより,酸素分圧をNdCl_3生成領域に設定し,スラッジ中の希土類元素の選択的塩化反応を行う.本年度は,研究計画に従い,本反応プロセスで添加するFeCl_2量,抽出温度ならびに抽出時間の最適化を速度論的見地から行い,実用化を指向した半連続型抽出装置を既存設備を活用しながら試作してその有効性を示すことを目的とした実験をおこなった.試作した装置の概要は以下のとおりである.一端閉管のステンレス管(内径35mm)を,開口部を上にして電気炉内に垂直に設置し,ステンレス管の上部を断熱材で巻く.液体窒素を充填したコールドトラップをステンレス管開口端のフランジと真空ポンプの間に設置する.ステンレス管内の底部にはグラファイト製るつぼ(I.D.24mm)を設置し,その上に上下を逆さまにしたφ10mmの穴付きグラファイト製るつぼをさらに2個設置し,低温部および高温部凝縮物回収器として使用する.回収器の温度は,高温部は853〜1123K,低温部は413〜853Kに制御する.るつぼに15gのFeCl_2粉末,1.0gの活性炭と5.0gの乾燥Fe-Nd-Dy-B系磁石スラッジの混合物をアルゴン充填下のグローブボックス中で充填し,選択還元・抽出の実験をおこなった.現在までの実験では,アルゴン雰囲気下,1073Kで12hの抽出の後,1273Kで3h真空蒸留を行い,高温側回収器で緑色と一部灰色の凝縮物を,低温側回収器で黄土色の凝縮物を得ている.現在,これらの凝縮物の組成の分析などを継続し,選択塩化反応の進行度と分別蒸留の効率について検討中である.
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