2002 Fiscal Year Annual Research Report
硫黄添加メカノケミカル処理によるガーニエライト鉱からのNiの濃縮
Project/Area Number |
14550726
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 秀行 九州工業大学, 工学部, 助手 (90213074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高須 登実男 九州工業大学, 工学部, 助教授 (20264129)
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Keywords | Ni / メカノケミカル処理 / 遊星ボールミル / ガーニエライト鉱 / 硫黄添加 / 硫化 / 硫酸化 / 粉砕 |
Research Abstract |
本研究ではメカノケミカル処理を利用し、Niの主要鉱石である酸化鉱のガーニエライト鉱中のNiを硫黄と選択的に反応させる。濡れ性および浸出性を選択的に向上させ、Ni製錬の前処理に適用することを目的としている。 本年度は産地の異なる3種類のガーニエライト鉱についてNi品位、鉱物組成などの性状調査をおこなった。さらに粉砕時間、硫黄添加率、酸化剤添加率を操作条件としてメカノケミカル効果の高い遊星ボールミルを使用して短時間のメカノケミカル処理をおこなった。処理後の試料についても性状を調べ、希硫酸および水による浸出実験をおこないメカノケミカル処理によるNiの選択的な硫化もしくは硫酸化の挙動およびその機構に関して以下の知見を得た。 1 初期試料のNi品位は2.19〜2.57mass%であった。 2 X線回折では(Ni, Mg)_3Si_2O_5(OH)_4とSiO_2のピークが確認された。遊星ボールミルで60分粉砕すると(Ni, Mg)_3Si_2O_5(OH)_4のピークが消失し、SiO_2のピークのみが確認された。硫黄を添加して粉砕をおこなっても硫黄とSiO_2のピークのみで、硫化物のピークは確認できなかった。 3 ガス吸着法による比表面積の測定では、初期試料で80〜100m^2/gのものが30分で20m^2/gまで小さくなり、60分では10m^2/gとなった。 4 0.5mol/1硫酸で60分浸出するとMg, Ni,は試料中の85%、Feは15%、Siは15%が浸出された。Mg, Niは粉砕開始から10分で60分での浸出率の70%、Feは45%が浸出された。Siは30分以降に浸出された。 5 硫黄2.5mass%以上の添加では、いずれの元素の浸出率も低下した。 6 水浸出では、硫黄と酸化剤として過酸化水素水を添加した場合、水を加えた粉砕の浸出率と同じくほとんど浸出されなかった。ピロ硫酸ナトリウムを添加するとMg68.3%、Ni42.4%が浸出できた。
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