2002 Fiscal Year Annual Research Report
ハイブリッド型電解法による難生分解性複合廃水処理システムの開発
Project/Area Number |
14550738
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
大佐々 邦久 山口大学, 工学部, 教授 (30107726)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾辻 幸枝 株式会社日本製鋼所, 機会研究所, 研究員
岩井 志帆 山口大学, 工学部, 教務員 (20335772)
中倉 英雄 山口大学, 工学部, 助教授 (10116733)
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Keywords | 電解浮上分離 / 電気分解 / 溶解性アルミニウム電極 / 導電性ダイヤモンド電極 / ハイブリッド型電解プロセス / 難生分解性物質 / 電解質 |
Research Abstract |
廃水中の難生分解性物質の電気化学的な分離あるいは分解を目的に,ハイブリッド型電解法を提案した.一般に,処理対象物質濃度が高い場合,単一プロセスで規定の濃度まで減少させることは困難かつ不経済である.そこで本手法では,プロセスの前段に溶解性アルミニウム(Al)電極を用いた電解浮上分離装置を,また後段に不溶性電極(DSE)を用いた電気分解装置を採用することにより,高効率で高速分離可能な処理システムを構築することとした. 電解浮上分離では,溶解性アルミニウム電極を用いることで,通電に伴い生成したAl水和物に有害物質を吸着させ、同時に発生した微細気泡とともに浮上分離させることができる.分離対象物質にフッ素を選び,回分実験を行ったところ,本法によりフツ素をほぼ完全に分離できた.分離速度は電極面積、電流値によらず単位液容積当たりの通電量[C/dm^3]に依存し,分離過程は一次速度式で表された。速度定数[dm^3/C]は,pH6〜8で最大となり,この領域はAl(OH)_3の生成範囲と一致した. 電気分解装置では,導電性ダイヤモンド電極(B, Nドープ)を用いて,フェノールを対象に半回分実験を行った。ダイヤモンド電極は,PbO_2電極などに比べて陽極過電圧が大きく,高い分解能を有する。フェノールの分解は通電量とともに進行するが,その速度は電解質の種類で変わり,Na_2SO_4に比べてNaClの方が大きい。中間生成物の分析から、分解機構を調べたところ,Na_2SO_4の場合,OHラジカルによりフェノールの開環から無機物までの酸化反応が進むが,NaClでは,より強い酸化作用を持つ過塩素酸(OCL^-)が同じ役割を担っていることが分かった. 以上の基礎実験を踏まえて,新規なハイブリッド型プロセスを開発する.
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[Publications] 大佐々邦久: "多層円錐板を備えた油木分離器のモデル化"化学工学論文集. 第28巻5号. 631-635 (2002)
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[Publications] 大佐々邦久: "生体高分子を用いたアパタイト骨セメントの調製とその圧縮強度および薬剤特性"粉体工学会誌. 第39巻9号. 685-691 (2002)
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[Publications] 中倉英雄: "ショ糖を含む寒天ゲルの定圧圧搾"日本食品科学工学会誌. 第49巻1号. 12-18 (2002)