2002 Fiscal Year Annual Research Report
高性能鉛フリー半田粉末の酸化防止皮膜の形成とその評価
Project/Area Number |
14550741
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
佐藤 宗武 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80081355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 智宏 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50295721)
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Keywords | 鉛フリー半田 / ワックスコーティング / 機械的エネルギー / 溶出試験 / フラックス / ソルダーペースト / 粒子設計 / レオロジー特性 |
Research Abstract |
鉛フリー半田粒子のモデルとして球形の銅粒子を使用し,ボールミルを用いた乾式機械的処理によって銅粒子表面をワックス粉体で被覆して酸化防止被膜を形成した。コーティング処理におけるボールミルの最適操作条件を決定するために,銅粒子に対して一軸圧縮試験を行い,圧縮エネルギーとひずみの関係を明らかにすることで,ボールミルが処理中に銅粒子に与える機械的エネルギーを把握し,球形の銅粒子が変形しない操作条件を決定した。ワックスをコーティングした銅粒子を硝酸溶液に浸して溶出試験を行ったところ,ワックス被膜が銅の溶出を抑制することを確認した。銅粒子を鉛フリー半田の一つであり,銅粒子よりも軟らかい錫-亜鉛合金粒子に切り換え,同様の処理を行った。錫-亜鉛合金粒子の応力-歪み曲線を求めることで,ワックスコーティングの際の最適操作条件を決定した。ワックスで被覆した錫-亜鉛合金粒子をフラックスとともに混練してソルダーペーストを作製し,一定期間室温および低温で保存した後,銅板上で加熱時の濡れ広がり性を評価した。未コーティング粒子では,低温で保存した場合においても粒子表面上に酸化皮膜が形成されることため,その濡れ広がり性は著しく低下するが,ワックスコーティングすることにより,室温保存した場合でも酸化が抑制され,良好な濡れ広がり性を示した。このことより,鉛フリー半田をワックスコーティングすることでフラックス中で酸化が防止され,保存性が向上するとともに,実際の使用にも十分耐えうることが示された。
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