2003 Fiscal Year Annual Research Report
高性能鉛フリー半田粉末の酸化防止皮膜の形成とその評価
Project/Area Number |
14550741
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
佐藤 宗武 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80081355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 智宏 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50295721)
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Keywords | 鉛フリー半田 / ワックスコーティング / 機械的エネルギー / 溶出試験 / フラックス / ソルダーペースト / 粒子設計 / レオロジー特性 |
Research Abstract |
代表的な無鉛半田のひとつであるSn-Zn-Bi系合金粒子の表面酸化訪止のためのコーティングプロセスについて検討した。実用されている活性フラックスの一成分である融点76.4℃のワックス粉末KOWを、ボールミルを用いて軟らかい半田粒子に許容ひずみ内のエネルギー負荷でコーティングすることを試みた。核粒子が変形しない範囲のエネルギー条件とワックスが十分に展伸する操作条件を選定してコーティング処理を行ったところ、前年度の銅粒子による予備実験で得られた被覆層に相当する結果が得られていることが、FT-IR分析結果から確認された。 また、コーティングした半田粒子をフラックス中に分散させてペースト状にしたときの流動特性を検討した。キャピラリー式レオメータを用いてペーストの流動性に及ぼす粒子混合率、粒子表面へのコーティングの有無、粒子の形状(ひずみ)の影響を各種測定条件の下で測定し粘性係数として整理した。その結果、ペースト中への粒子混合率が89.5wt% (50vol%)と高充填状態でも流動性が確保されるが、粒子形状が球形からずれるにしたがつて流動抵抗が増大した。粒子のひずみが0.1以下の場合には球形粒子と同様の粘性係数を示した。また、あらかじめワックスでコーティングした粒子では、被膜成分の濃度が0.9〜1.2wt%(被膜層厚さ約1μmに相当)までは流動状態に大きな影響を及ぼさないことが確認された。これらの結果より、機械的なコーティング処理のエネルギー範囲で目的の粒子設計が可能であることが示された。
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