2002 Fiscal Year Annual Research Report
Xanthan高密度化生産による環境保全型バイオリアクターの開発
Project/Area Number |
14550742
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
寺坂 宏一 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (00245606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 央 (独)酒類総合研究所, 酵素工学研究室, 主任研究員
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Keywords | キサンタン / 増粘剤生産 / 高粘度液 / 非ニュートン流体 / 酸素移動 / 気泡塔 / ガスホールドアップ / 反応装置工学 |
Research Abstract |
Xanthomonas Campestris菌株による最適Xanthan生産条件を見出すために、約1Lの撹拌槽型バイオリアクターおよびpH、DO、温度、撹拌回転数、トルクおよび吹き込み空気流量のオンライン測定システムを設計・製作した。撹拌翼は高粘度液用パドル型を用い、回転数120rpmで一定とした。3種類の吹き込みガス流量で約7日から10日間、最小培地を用い一種の栄養ストレス条件下で、培養およびXanthan生産を行った。すべての条件下で、培養の進行と共に培養液中の酸素濃度は急激に減少し、約4日目になると0となった。酸素濃度が0に達するまでは菌体濃度は対数的に増加したが、酸素濃度が0になるとほぼ同時に菌体数は減少に転じた。これはバイオリアクターへの酸素供給速度を菌体の総酸素摂取速度が超えたためと考えられる。一方、菌の増殖とともにXanthan濃度も増加し、みかけの液粘度も急激に増大した。培養終了後にサンプリングしたXanthan溶液のレオロジー特性を調べ、降伏応力をもった非ニュートン性を示すことを確認した。撹拌槽型バイオリアクターでの最終的に得られた最大Xanthan濃度は0.2wt%に達した。 一方、培養液のpHは培養の進行と共に低下した。そこで装置に改良を加え、液のpHをオンライン測定し自動制御でアルカリ滴下し、pHを中性域に維持し、最適培養条件を保持できた。 以上の実験により、Xanthomonas campestris菌は大きな酸素要求量をもち、Xanthanの分泌により培地粘度が急上昇するので、その成長およびXanthan生産は菌体への十分な酸素供給速度をもつバイオリアクターが必要であることがわかった。これらの知見をもとに、気泡塔型バイオリアクターの装置設計および開発に着手する。
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Research Products
(1 results)