2002 Fiscal Year Annual Research Report
遷移元素どうしの金属間化合物による高機能触媒の開発
Project/Area Number |
14550759
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小松 隆之 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (40186797)
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Keywords | 金属間化合物 / 遷移元素 / ニッケル / 高機能触媒 / FT合成 / メタン / リフォーミング / 二酸化炭素 |
Research Abstract |
高い触媒活性をもつPt、Pd、NiおよびCoと4〜7族のTi、Zr、V、Cr、Mnなどの遷移元素の組み合わせについて、アーク溶融炉あるいはシリコニット電気炉を用いた混合溶融法により金属間化合物を調製した。空気中で粉砕し粒径を25μm以下にそろえた。粉末X線回折により、目的とする金属間化合物が単一相で形成されていることを確認した。ただし、一部の化合物(Co_3Vなど)は非常に硬いため、粉砕が困難であった。空気中で保存した金属間化合物を水素気流下反応管中で前処理還元した後、化合物の触媒特性を検討した。まず、常圧流通系反応装置を用いてメタンのCO_2リフォーミングを行った。反応温度は750℃、CH_4/CO_2=1とした。Ni系およびCo系金属間化合物について主に検討した。同程度の粒径をもつCo粉末を用いたとき、60分後のCO_2転化率は11%、Ni粉末では34%であった。一方、金属間化合物については、CoTi、CO_7Nb、NiIn、NiGe、Ni_3Ga_4、NiBi、Ni_6Nb_7、NiMo、Ni_5La、Ni_5ZrおよびNiTi_2を用いた場合、それぞれ元の金属(CoおよびNi)と比べて、CO_2転化率は低い値となった。これらの化合物の形成が効果的でないことが分かる。一方、C_2Ta・CO_2Sc、CoHf、NiTa、NiSc、NiZrおよびNiHfを用いると、CO_2転化率は50〜80%となり、CoやNiより高い触媒活性を示した。このように、CoおよびNiと、ある特定の元素との金属間化合物が、メタンのCO_2リフォーミングに有効であることが明らかとなった。さらに、高圧流通系反応装置を用いてFT合成反応を行った。反応温度400℃、H_2/CO=2、全圧1.1MPaとした。CuTi、Co_2Ta、AgLa、AuLa、TiPt_3などが、C2以上の炭化水素生成に対し選択性を示すことが明らかとなった。
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