2004 Fiscal Year Annual Research Report
r-FI法による環境水中の重金属元素のオンサイトスペシエーションシステムの開発
Project/Area Number |
14550778
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
板橋 英之 群馬大学, 工学部, 教授 (40232384)
|
Keywords | スペシエーション / フローシステム / 鉛(II) / クロム(VI) / 電解カラム / 陰イオン交換樹脂 |
Research Abstract |
溶液中の重金属イオンのスペシエーションが可能なr-FIシステムを構築し,河川水中の鉛と土壌溶出液中のクロムのスペシエーションを試みた. 鉛のスペシエーションでは,炭素繊維を充填した電解カラムをインラインに接続したシステムを構築し,鉛(II)の電着に及ぼす電位の検討,鉛の化学形態の影響等について検討した.鉛(II)の電着電位を検討したところ,+1V以下の電位を印加することで,遊離の鉛(II)は定量的に電極に電着できることがわかった.また,+1V以上の電位を印加すれば電着した鉛は定量的に溶出し,吸光光度法による定量が可能であることがわかった.また,鉛(n)の電着挙動はその化学形態により異なることが判明し,電着挙動の解析から鉛(II)のスペシエーションが可能であることが示唆された. クロムのスペシエーションでは,陰イオン交換樹脂を充填したカラムをインラインに接続したシステムを構築し,クロム(VI)のみを選択的に捕集濃縮する方法について検討した.検出反応に,ジフェニルカルバジド吸光光度法を用いて定量を試みたところ,溶離液とキャリヤー溶液との液性の違いによるゴーストピークが観測され,定量感度と精度の低下が見られた.そこで,新たに,複数のバルブを内径0.5mmのテフロン管で接続したオールインジェクションシステムを構築し,これを分離濃縮部に用いたフローシステムで定量を試みた.その結果,ゴーストピークの出現を抑えることができ,定量感度も3倍程度増加した.このシステムを用いて土壌溶出液中のクロム(VI)の定量を試みたところ,ppbレベルのクロム(VI)も再現性良く定量できることがわかった.
|