2002 Fiscal Year Annual Research Report
多成分同時定量用化学発光検出フロースルーセンサーの開発
Project/Area Number |
14550780
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
木羽 信敏 山梨大学, 工学部, 教授 (20020505)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橘 正樹 山梨大学, 工学部, 助手 (30020499)
谷 和江 山梨大学, 工学部, 助教授 (60115318)
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Keywords | フロー法 / 同時定量 / 化学発光 / フローセンサー / 小型化 |
Research Abstract |
まず、UV透過皮膜コーティングフューズドシリカキャピラリーおよび半透明テフロン管を渦巻き状にしてフローセルとし、各種反応試薬または酵素を固定化した坦体を充填して光電子増倍管の測定窓に貼り付け、フローセル中での反応に基づく化学発光を直接測定した。キャピラリー(内径100μm)で27cm、テフロン管(内径1mm)で70cmの長さのフローセルを作成できた。透光性、耐圧性はキャピピラリーが優れているが、破損し易く、取り扱いが面倒であった。テフロン管は比較的廉価であり、多成分の同時定量では、長いフローセルを用いることにより、3成分以上の定量が可能となるので、今年度は、テフロン管をフローセルとして使用することとして。 次ぎに、多成分同時定量に必要なピークの分離度を推定するための基礎研究を行った。坦体を充填したフローセル中での試料の分散・拡散による化学発光強度(ピーク高、ピーク半値幅およびピーク面積)と流速および注入量の関係を求めた。過ヨウ素酸塩を吸着させた陰イオン交換樹脂(粒子径約50μm)を充填したテフロン管(内径1mm)をフローセルとし、過酸化水素に基づく化学発光を測定した結果、流速が高くなるほど、ピーク半値幅およびピーク面積(全発光量)は増加し、分離度は減少した。ピーク高と流速との関係では、分散による試料と坦体との接触が最高になる最適流速が存在することを見出した。注入量と流速の関係は、感度(ピーク高)、ピーク形状および分離度で検討し、それぞれに最適値があることを見出した。 これらの知見に基づき、ルミノール化学発光反応と酵素反応とを組み合わせ、L-グルタミン酸とL-リシンを同時定量できる化学発光検出法を開発した。同時固定化L-グルタミン酸酸化酵素/ペルオキシダーゼと同時固定化L-リシン酸化酵素/ペルオキシダーゼを直列にフローセルに充填したフローセルを、ルミノール溶液をキャリヤ溶液に用いる-流路のフローインジェクションシステムに組み込み、40〜1000nMのL-グルタミン酸と50〜1200nMのL-リシンを11/hの分析速度で定量出来た。この方法は、血清分析に応用した。 さらに、酸化アルカリ土類金属を充填したフローセルでの化学発光特性に関する知見を得た。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kazue Tani: "Evaluation of Titania as an Ion-Exchanger and as a Ligand-Exchanger in HPLC."Chromatographia. 55. 33-37 (2002)
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[Publications] Nobutoshi Kib: "Chemiluminometric Sensor for Simultaneous Determination of L-Glutamate and L-Lysine with Immobilized Oxidases in a Flow…"Analytical Chemistry. 74. 1269-1274 (2002)