2002 Fiscal Year Annual Research Report
メカノケミカル活性化を利用した新しい燃焼合成法による炭化物-硼化物複合材料の合成
Project/Area Number |
14550797
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
土田 猛 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40041959)
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Keywords | メカノケミカル活性化 / 炭化ジルコニウム / 硼化ジルコニウ / 複合材料 / 燃焼合成 |
Research Abstract |
ZrC-ZrB_2やNbC-NbB_2などの遷移金属炭化物-棚化物系のセラミック複合材料は、高強度、高硬度、高融点、耐摩耗性、耐食性などに優れているため、高温構造材料や耐摩耗性材料としての応用が期待されている。本研究の今年度の目的は、メカノケミカル活性化を利用した新しい燃焼合成法(MA-SHS)によって遷移金属炭化物-棚化物系セラミック複合材料原料を低コストで、効率良く合成できる最適条件を確立することである。 これまで、Zr/B/C、Nb/B/C系混合粉をボールミル中でわずか1時間程度の粉砕活性化後、空気中へ曝すと自然着火し2段階にわたって燃焼合成反応が進行した。生成物のX線回折、SEM、TEMによる組成、組織・構造観察から、ZrC-ZrB_2、NbC-NbB_2などの炭化物と棚化物が同時生成することを見いだした。炭化物/棚化物の生成割合はZr/B/C、Nb/B/Cの混合比に依存すること、自然着火には粉砕活性化されたdisorder carbonの存在が不可欠であること、反応容器としてアルミナ磁性るつぼよりも黒鉛るつぼを用いた方がより高純度の生成物が得られることなど、を見出してきた。さらに、Zr/B/C系において、未粉砕混合試料のアルゴン雰囲気中での固相反応では、800℃でZrB_2が1000℃でZrCが生成し、1200℃でほぼ同量のZrB_2、ZrCが生成した。生成物の組織観察から、MA-SHSで得られたものは数μm程度の均一粒子から成っているの対して、固相反応より得られたものは数μmから数十μmまでの不均一粒子から成っていた。このような両者の反応挙動および生成物の微細構造の相違についても検討した。 以上の結果より、高効率で高純度の炭化物-棚化物複合材料を合成できる最適条件を確立し、引き続き炭化物-棚化物複合材料の焼結条件や、得られた複合材料の機械的強度や耐酸化性などについて調べ、複合材料の実用化を総合的に評価する。
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Research Products
(1 results)