2003 Fiscal Year Annual Research Report
非アパタイト系リン酸カルシウムによる水中溶存重金属の回収除去
Project/Area Number |
14550801
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
杉山 茂 徳島大学, 工学部, 助教授 (70175404)
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Keywords | アパタイト / リン酸化合物 / 水溶性重金属 / 回収 / 固定化 |
Research Abstract |
水中溶存重金属を固定化回収する化合物としてカルシウム水酸アパタイトが知られていた。この特徴はアパタイトに特有の性質と言われており、特に汚泥中の重金属の固定化には有望視されていたが、アパタイト自体が効果であるうえに、特珠なリン酸塩であるため、企業サイドからも代替材料の開発が求められていた。平成14年度にはアパタイトの固定化機構として提案されていた2種類の固定化機構のうち、溶解沈殿機構に基づけば、アパタイト以外のリン酸カルシウム類でも固定化が可能と考え検討したところ、リン酸カルシウム、リン酸1水素カルシウム、リン酸2水素カルシウムでも水溶性鉛の回収が短時間に行え、またリン酸1水素カルシウムを用いると様々な水溶性重金属の固定化回収が出来ることが明らかになった。平成15年度にはこの結果に基づき、固定化剤の溶解度が高ければ、水溶性重金属の回収がさらに容易になると考え、リン酸1水素マグネシウムとともにさらに安価で溶解度も高いリン酸ナトリウム、リン酸カルシウムの固定化能を検討した。その結果、溶解度の高いアルカリ金属リン酸塩は様々な水溶性重金属の回収固定化を、以前は有望視されていたアパタイトよりも短時間で高効率で達成できることが明らかになった。固定化の機構を考えるうえでは、固定化回収後の固体の構造解析も重要であるが、しばしばアモルファスとなり通常の構造解析からは構造に関する知見をえるのは困難であった。しかし本研究では、固体31P MAS NMRによって回収前後のリン周りの構造に関する知見をえることができ、例えば水溶性銅の固定化回収では具体的な構造を提案するまでに至った。また本年度はバッテリー廃液中に含まれる鉛の固定化回収を視野に入れ、回収剤に硫酸カルシウム、硫酸マグネシウムを用い、水溶性鉛の固定化回収実験を検討し、上記リン酸塩回収剤に匹敵する成績が得られることを明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Shigeru Sugiyama: "Enhancement of the Catalytic Activities in Propance Oxidation and H-D Exchangeability of Hydroxyl Groups by the Incorporation with Cobalt into Strontium Hydroxyapatites"Journal of Catalysis. 214・1. 8-14 (2003)
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[Publications] Shigeru Sugiyama: "Effects of Redox of Cu-Species in Copper-Strontium Hydroxyapatites on the Oxidative Dehydrogenation of Propane"Journal of Chemical Engineering of Japan. 36・2. 210-215 (2003)
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[Publications] Shigeru Sugiyama: "Heavy Metal Immobilization in Aqueous Solution Using Calcium Phosphate and Calcium Hydrogen Phosphates"Journal of Colloid and Interface Science. 259・2. 406-408 (2003)
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[Publications] Shigeru Sugiyama: "Role of Hydroxide Groups in Hydroxyapatite Catalysts for the Oxidative Dehydrogenation of Alkanes"International Journal of Modern Physics B. 17・8-9. 1476-1481 (2003)
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[Publications] Shigeru Sugiyama: "Immobilization of Aqueous Heavy Metals with Phosphates and Sulphates"Bulletin of the Chemical Society Society of Japan. 76・12. 2419-2422 (2003)
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[Publications] Shigeru Sugiyama: "Effects of Preparation Procedure of Calcium-Lead Hydroxyapatites on Thermal Stabilities and Catalytic Activities for Oxidative Coupling of Methane"Phosphorus Research Bulletin. (印刷中). (2004)