2004 Fiscal Year Annual Research Report
フッ素化ベンゾアゾール誘導体の二重蛍光挙動の解明とその化学センサーへの応用
Project/Area Number |
14550811
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Research Institution | SEIKEI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
田中 潔 成蹊大学, 工学部, 教授 (40138540)
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Keywords | ベンゾオキサゾール / イミダゾピリジン / フルオロファー / 化学センサー / 金属カチオン認識 / 多重蛍光 / 多重分子センサー / ヒドロキシフルオロフェニル基 |
Research Abstract |
(2-ヒドロキシテトラフルオロフェニル)ベンゾアゾールおよびその類縁体の多重蛍光挙動を解明するとともに、ある種の基質に特異に応答し発光する分子光学センサーへと応用した。具体的には、(2-ヒドロキシテトラフルオロフェニル)ベンゾオキサゾールのp-位フッ素をイミダゾリル基で置換したフルオロファー1およびそのピラゾリル誘導体2を合成し,それらの蛍光挙動を検討した。クロロホルム-アセトニトリル系中での金属カチオンの認識について検討したところ,1はAl^<3+>では緑色蛍光の強度が大きくなるのに対し,Zn^<2+>では青緑色の蛍光が大きく増光することが明らかとなった。他のアルカリ金属やアルカリ土類金属カチオンではそのような変化は認められないことから,1はAl^<3+>やZn^<2+>を選択的に認識すると同時に,それぞれのカチオンに対応して異なる波長の蛍光を発する多重化学センサーとしての可能性を提唱した。なお,フルオロファー2ではそのような増光は認められないことから,1のイミダゾリル部位での金属カチオンの捕捉が増光挙動の重要なステップとなることが判明した。一方,ベンゾアゾール骨格を他の骨格に展開する一環として,イミダゾピリジン骨格を持ち2-ヒドロキシテトラフルオロフェニル基で修飾されたフルオロファー3をあらたに合成し,それの蛍光挙動を明らかにした。ついで,金属カチオン認識能について検討した結果,3は選択的にZn^<2+>で青色の蛍光が増光すること,そしてAl^<3+>では淡青色の蛍光が大きく増光することを見いだした。3の場合にも,捕捉する金属カチオンによって蛍光波長が異なる点に大きな特徴があり,多重化学センサーとしての機能を持つことが明らかになった。ここで提唱している多重性を持つ化学センサーはこれまであまり例がなく、あらたなインテリジェントセンサーの分野を構成すると期待できる.
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