2002 Fiscal Year Annual Research Report
ナノレベルで自己組織化したフッ素系分子集合体とフラーレンより誘起される機能の創出
Project/Area Number |
14550814
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
澤田 英夫 弘前大学, 理工学部, 教授 (50259909)
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Keywords | フッ素系分子集合体 / フラーレン / フラーレンの親水化 / ナノレベル / 自己組織化 / 蛍光スペクトル |
Research Abstract |
本研究は、フッ素の凝集する機能を種々の分野において注目されているフラーレンに付与させることにより、従来のフッ素化学あるいはフラーレンの化学においてみられた機能から予期できない全く新しい機能の創出を目的とする。具体的には、ナノレベルで構造が制御されたフッ素系分子集合体の構築を行い、ついでこのフッ素系分子集合体をホスト場とし、ゲスト分子としてフラーレンを取り込ませ、構造が制御されたフラーレンの超分子の構築およびその機能の創出を行うこともその目的である。 平成14年度の研究では、フルオロアルキル基が末端に導入されたオリゴマー類の合成を行い、これらオリゴマー類の自己組織化により形成される分子集合体の構造について光散乱法により詳細に検討を行った。これらの研究成果はアメリカ化学会の学術誌[Macromolecules, vol. 35, p4306〜4313(2002).]に発表を行った。ついで、含フッ素オリゴマーがナノレベルで形成する分子集合体とフラーレンとの相互作用に関する研究の予備実験として、フラーレンの代わりに低分子抗菌剤としてよく知られたヒビテンとの相互作用について詳細に検討を行った。その結果、ヒピテンはゲスト分子として含フッ素オリゴマーが形成する分子集合体と強い相互作用することが明らかとなった。 このような知見をもとに、実際にフラーレンをゲスト分子としてこれらフッ素系分子集合体との相互作用について詳細に検討を行った。その結果、水に対して溶解性を全く示さないフラーレンがフッ素系分子集合体のホスト場の中に取り込められ、フラーレンが水に可溶化される現象を見いだした。水に可溶化されたフラーレンは興味深いことに蛍光スペクトルが観測され、ある特定のフッ素系分子集合体内に取り込められたフラーレンにおいては、その蛍光強度を著しく高めることを見いだした。これらの知見は、実際、新しいフッ素系蛍光診断薬への応用を強く示唆するものであり、これら研究成果は現在、学術誌へ投稿中である。 今後は、本年度の研究により得られた研究成果をもとに、実際にナノオーダーで構造が制御されたフラーレンユニットを高分子材料表面に配向させることへと展開させてゆきたい。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hideo Sawada: "Synthesis of Amphiphilic Fluoroalkoxyl End-capped Cooligomers Containing Oxime-blocked Isocyanato Segments : Architecture and Applications of New Self-Assembled Fluorinated Molecular Aggregates"Macromolecules. 35卷・11号. 4306-4313 (2002)
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[Publications] Hideo Sawada: "Solubilization of Hibitane into Common Organic Solvents with Self-Assembled Fluorinated Molecular Aggregates : Application to Novel Surface Antibacterial Materials Possessing a Good Oleophobicity"Polymer Journal. 34卷・11号. 855-857 (2002)
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[Publications] 澤田英夫: "オリゴマー末端に導入されたフルオロアルキル基の凝集効果が活かされた新しいフッ素系高分子ゲルの合成と応用"オレオサイエンス. 2卷・11号. 681-696 (2002)