2003 Fiscal Year Annual Research Report
環境変化にシンクロナイズして結合・放出をする物質輸送システムの構築
Project/Area Number |
14550820
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
池田 博 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助手 (70201910)
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Keywords | シクロデキストリン / 超分子 / 水素結合 / 活性調節 / アロステリック / 液膜輸送 |
Research Abstract |
環状オリゴ糖であるシクロデキストリン(CD)を二量化し、連結した2つのCD空洞に協同的に基質を包接させることにより、高活性で基質選択的な触媒反応を起こさせることが可能であることを、これまでに見出している。 この協同作用の強度を、周囲の環境変化にシンクロナイズさせて変化させることができれば、効率的な物質輸送システムを構築することが可能である。 すなわち、協同作用により基質結合能を強化するばかりでなく、周囲の環境変化にシンクロナイズさせてその協同作用強度を変化させることが可能な官能基を導入した機能性ホスト分子を構築し、特定の分子と強く結合するばかりでなく、目的の場所で結合していた分子を速やかに放出できる効率的な物質輸送システムを構築することが本研究の目的である。 昨年度の研究成果を基に、CDの1級水酸基側を疎水化した後に、2級水酸基側でCDを二量化することにより液膜輸送を効率よく行うためのキャリアー分子を合成した。得られたキャリアー分子を使って、糖類を2つの水層に挟まれた疎水的な有機液膜を通過させる液膜輸送実験を行った。親水性の高い糖類は有機液膜を通過できないが、今回合成したキャリアー分子を液膜に存在させておくことにより、効率的な液膜輸送が可能となった。これは、CDの2級水酸基側の水素結合が、有機液膜内と水層/有機液膜界面で、ON/OFFをすることにより、糖類を包接・放出し、効率の良い液膜輸送が達成できたと考えられる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] H.Ikeda, A.Matsuhisa, A.Ueno: "Selective Transport of Saccharides through a Liquid Membrane Using Cyclodextrin Dimer"J.Inclusion Phenom.Macrocycl.Chem.. 44. 347-350 (2002)
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[Publications] H.Ikeda, Y.Iidaka, A.Ueno: "Remarkably Enhanced Excimer Formation of Naphthylacetate in Cation-Charged γ-Cyclodextrin"Org.Lett.. 5. 1625-1627 (2003)
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[Publications] H.Ikeda, A.Matsuhisa, A.Ueno: "Efficient Transport of Saccharides through a Liquid Membrane Mediated by a Cyclodextrin Dimer"Chem.Eur.J.. 9. 4907-4910 (2003)
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[Publications] H.Tsutsumi, H.Ikeda, H.Mihara, A.Ueno: "Enantioselective Ester Hydrolysis Catalyzed by β-Cyclodextrin Conjugated with β-Hairpin Peptides"Bioorg.Med.Chem.Lett.. 14. 723-726 (2004)
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[Publications] H.Nakajima, Y.Sakabe, H.Ikeda, A.Ueno: "Cyclodextrin Trimers as Receptors for Arranging Ester and Catalyst at Optimized Location to Achieve Enhancement of Hydrolytic Activity"Bioorg.Med.Chem.Lett.. 14. 1783-1786 (2004)
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[Publications] H.Ikeda, T.Nihei, A.Ueno: "Stereoselective Photodimerization of 2-Anthracenecarboxylic Acid Using a Cation-Charged γ-Cyclodextrin Template"J.Inclusion Phenom.Macrocycl.Chem.. 48(in press). (2004)