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2002 Fiscal Year Annual Research Report

ロイシンジッパーでβ-シートを集積化した低分子フィルムの形成

Research Project

Project/Area Number 14550831
Research InstitutionChiba University

Principal Investigator

山田 哲弘  千葉大学, 教育学部, 助教授 (40182547)

Keywords超分子フィルム / ペプチド / 平行β-シート構浩 / ロイシンジッパー / フィルム形成 / FT-IRスペクトル / 両親媒性化合物 / 多重水素結合
Research Abstract

アミノ酸の一種であるロイシンが3つ連鎖したユニット(-Leu-Leu-Leu-)を導入すると、二鎖型両親媒性アンモニウム塩はクロロホルム溶液を剥離加工紙上に展開して風乾するだけで柔軟なフィルムになる。他のアミノ酸を連鎖させても柔軟なフィルムは得られないこと、アミノ酸数の増加に伴って水素結合強度が増大する点から考えて、フィルムの柔軟性はロイシン側鎖の絡み合いに起因する可能性が高い。本研究は分子連鎖に共有結合を用いずに柔軟なフィルムをつくることが目的であるため、本年度はロイシン側鎖の絡み合いをロイシンジッパー形成の結果ととらえ、その証明に力点を置いた研究を行った。研究はまずロイシンの連鎖数を2〜4とした分子を合成し、キャストフィルムを作製した後、柔軟性を調べた。その結果、ロイシン2個を連鎖した分子のキャストフィルムはきわめて脆く、ロイシン3個とロイシン4個を連鎖した分子から柔軟なキャストフィルムが得られた。フーリエ変換赤外(FT-IR)スペクトル測定の結果、キャストフィルムはいずれも平行β-シートを形成していることから、フィルムの柔軟性はロイシンジッパー形成によるものであることが証明できた。隣接するロイシン側鎖はβ-シート面に対し直交して表裏に位置するため、ジッパー形成には少なくともロイシン3個の連鎖が必要であるためであると考えられる。なお、ロイシンジッパーはβ-シート間に形成されるもので、水素結合に先んじて形成されるものではない。つまり、水素結合形成とロイシンジッパー形成は階層性を持っていることになり、本研究のフィルム形成法は、作用をランダムに組み合わせるものとは異なる新たな手法であることもわかった。

URL: 

Published: 2004-04-07   Modified: 2016-04-21  

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