2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14550832
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 将人 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (20179253)
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Keywords | 固相重合 / 重縮合 / ポリエーテル / フェノール樹脂 / 糖 / 糖鎖高分子 / 多分岐ポリマー |
Research Abstract |
1)1,5-ビス(ヒドロギシアリールメチル)ナフタレン(アリール=フェニル(1)、4-メチルフェニル(2)、4-プロピルフェニル(3))の結晶に、ガンファースルホン酸(5mol%)を加えめのう乳鉢で擦り混ぜた後、窒素気流下で80〜170℃の加熱すると、粉末状態を保ったまま脱水重縮合し、対応するポリエーテル(最大で重量平均分子量=15000)を生成した。また、モノマー2、3は、フェニル基上のアルキル置換基の電子供与性によって酸触媒なしでも、155〜185℃で重合し、M_W=10000程度のポリマーを生成した。この場合、光学顕微鏡による重合過程の観察によって、モノマー結晶の粒子が溶融せずに重合が進行していることが分かった。 2)2,6-ビス(ヒドロキシメチル)フェノール誘導体の固相重合では、フェノール残基の作用によって、酸性条件下だけでなく、塩基性条件下でも加熱によつて反応が進行した。しかも、1)のような脱水反応だけではなく、鋭ホルミル化反応が起こり、ジアリールメチレン骨格の生成が認められた。また、4-ニトロ置換体では、110℃で自己触媒的に固体状態を保ったまま脱水反応だけが進行した。いずれの場合も鎖状および環状のオリゴマーが生成した。 3)グルコースやマルトースのリン酸触媒存在下での固相重縮合によって得られた多分岐多糖を、MALDI-TOF MSで分析したところ、ポリマーの末端に1,6-環状無水糖構造が含まれていること、並びに、二糖であるマルトースがまったく単糖単位からなるポリマーを生成したことが判明した。このことから、本重合には、一旦分子内環化し、その後分子間付加開環反応する重合過程が含まれていること、および、生成したポリマー鎖環の交換反応が重合中に起こっていることが示唆された。また、α-キシロース、β-アラビノースなどの五単糖も同様に固相重縮合(110℃)し、ピラノースとフラノース両種の骨格を含む多分岐多糖(M_W=8100-12000)が得られることを見出した。さらに、糖フルオリドが無触媒で固体状態を保ったまま熱重合(100-110℃)し、分子量数千の多分岐多糖を生成することが判明した。
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