2002 Fiscal Year Annual Research Report
開環重合またはカップリング反応によるポリプロペランの精密合成
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14550833
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
石曽根 隆 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (60212883)
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Keywords | ブロペラン / 開環重合 / 1,3-デヒドロアダマンタン / ポリ(1,3-アダマンタン) / カチオン重合 / ラジカル重合 / 環歪み / カップリング反応 |
Research Abstract |
本年度は、[3.3.1〕プロペランの分子構造を持つ1,3-デヒドロアダマンタンの開環重合によるポリアダマンタンの合成を行った。まず、1,3-デヒドロアダマンタン類(DHA)を、1,3-ジブロモアダマンタン誘導体と金属リチウムとの反応により合成した。DHA類は求核試薬とは全く反応しなかったが、酸やラジカル種とは容易に反応し、開環付加物を高収率で与えた。続いて、DHA類を塩化メチレン中で触媒量のトリフルオロメタンスルホン酸と反応させたところ、-78℃では重合物は得られなかったが、0℃では90%の収率でポリマーが得られた。NMR、IR、MALDI-TOF-MS、元素分析による構造解析の結果、重合物はDHA類の開環重合により期待されるポリ(1,3-アダマンタン)の構造を持つことが明らかとなった。また、アダマンタン環上にブチル基を置換した誘導体は、有機溶媒に良好な溶解性を示し、平均重合度約11、約2000の分子量を持ち、約470℃の10%重量減少温度を示す熱的に安定なポリマーであることを見出した。さらに、AIBNやBPOといったラジカル重合開始剤によっても、無溶媒条件下における加熱重合によっても、DHA類は同様の開環重合物を高収率で与えることを確認した。こうしたラジカル重合の場合、ポリマーの重合度はより高く、平均値で20を超えるものが得られた。以上、高い環歪みを持つDHA類の開環重合によりポリ(1,3-アダマンタン)類が得られることを初めて見出した。現在は、より重合度の高いポリマーの合成、ランダム共重合体およびブロック共重合体の合成、重合条件の探索による分子量の制御などを目指して研究を進めている。また、開環重合以外のポリ(1,3-アダマンタン)の合成法である臭化アダマンタン誘導体のカップリング反応に関しても、研究を開始している。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 田島寛之, 石曽根隆: "アダマンタン骨格を含むポリマー類の合成"高分子加工. 51・3. 98-104 (2002)
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[Publications] A.Hirao, S.Loykulnant, T.Ishizone: "Recent advance in living anionic polymerization of functionalized styrene derivatives"Progress in Polymer Science. 27. 1399-1471 (2002)
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[Publications] T.Ishizone, H.Tajima, H.Torimae.S.Nakahama: "Anionic Polymerization of 1-Adamanryl Methacrylate and 3-Methacryloyloxy-1,1'-biadamantane"Macromolecular Chemistry and Physics. 203・16. 2375-2384 (2002)
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[Publications] T.Ishizone, M.Ito: "Synthesis of Well-Defined Poly(N-isopropylacrylamide) by the Anionic Polymerization of N-Methoxymethyl-N-isopropylacrylamide"Rapid Communication. 40. 4328-4332 (2002)
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[Publications] T.Ishizone, S.Han, S.Okuyama.S.Nakahama: "Synthesis of Water-Soluble Polymethacrylates by Living Anionic Polymerization of Trialkylsilyl-Protected Oligo(ethylene glycol)Methacrylates"Macromolecules. 36・1. 42-49 (2003)