2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14550835
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野崎 京子 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (60222197)
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Keywords | 光学活性 / γ-ポリケトン / 配座制御 / ペルフルオロアルキル基 / ポリアセタール / 側鎖型液晶ポリマー / キラルネマチック |
Research Abstract |
本研究は、側鎖が光学活性高分子の配座に与える影響を明らかにし、その知見に立脚して高分子の配座を制御し、もって機能を発現させることを目的とした。申請者は、キラルホスフィンホスファイト配位子BINAPHOS{=2-(diphenylphosphino)-1,1'-binaphthalen-2'-yl 1,1'-binaphthalen-2,2'-yl phosphite}のPd(II)錯体が、プロピレンと一酸化炭素およびスチレンと一酸化炭素の交互共重合において高いエナンチオ選択性を示すことを明らかにしていた。本研究期間には、との光学活性ポリケトンおよびその誘導体の配座について調べ、以下の2点を明らかにした。 (i)側鎖による主鎖の配向制御 側鎖に立体障害の大きな置換基や、電子反発の予想されるペルフルオロアルキル基などを導入し、これらの側鎖が主鎖の配座に与える影響を調べた。ペルフルオロ基どうしの静電反発によりポリケトンの主鎖はヘリカル構造をとり、その結果、γポリケトンが環化してポリスピロケタールとして得られた。 (ii)主鎖による側鎖の配向制御 配向性をもつ側鎖を用いて側鎖を規則的に並べ、その規則性に対して主鎖の構造が与える影響についても調べた。液晶性メソゲン基であるシアノビフェニル基を側鎖に導入し、規則性の異なる主鎖をもつポリケトンを合成して液晶性を評価した。その結果、主鎖がキラルなイソタクチック体においては主鎖に誘起されたキラルネマチック相が観測された。主鎖の規則性が液晶相を制御した数少ない例の一つであり、側鎖型液晶ポリマー研究へのインパクトが期待される。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K.Nozaki, Y.Kawashima, T.Oda, T.Hiyama, K.Kanie, T.Kato: "Synthesis and Liquid Crystalline Behavior of Stereoregular Polyketones with Mesogenic Side Chains"Macromolecules. 35. 1140-1142 (2002)
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[Publications] K.Nozaki, N.Kosaka, V.M.Graubner, T.Hiyama: "Methylenation of Optically Active γ-Polyketones"Polymer J.. 34. 376-382 (2002)