2004 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙用観測機器の冷却に用いる超流動ヘリウムの自励振動の解明と伝熱促進効果の応用
Project/Area Number |
14550857
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
木村 誠宏 高エネルギー加速器研究機構, 超伝導低温工学センター, 助手 (10249899)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲井 浩孝 高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助手 (00188872)
村上 正秀 筑波大学, 大学院・機能工学系, 教授 (40111588)
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Keywords | 超流動ヘリウム / 超伝導温度センサー / 可視化観測 / 膜沸騰モード / 圧力依存性 / λ点圧力 / 弱サブクール沸騰 / ノイジー膜沸騰 |
Research Abstract |
研究期間の最終年度である平成16年は、超流動ヘリウム(He II)中の沸騰について以下の研究を行った。 He II中のサブクール沸騰の実相を知るために,He II中の弱サブクール状態から飽和状態まで圧力を変化させたときの膜沸騰モードの変化について観測を行った.この観測では、可視化観測及び圧力・温度変動を測定することで,He II中での膜沸騰モードの変化を多角的に解析した. この解析により,サブクール沸騰およびサイレント膜沸騰は,穏やかな膜沸騰であることを示した.また、λ点のごく近傍での両者の沸騰状態が融合する領域では,沸騰状態は同様のものとなることを示した.これは,λ点のごく近傍では,サブクール沸騰で生じるHe Iの沸騰状態に及ぼす影響が非常に小さくなるためと考えている.さらに、λ点から離れた状態では,p_<bath>の違いやHe Iの影響が大きくなるために定量的に異なってくることを示した.この状態でに沸騰について、定性的には通常流体中で現れる膜沸騰状態であると考えている.一方,ノイジー膜沸騰は,サブクールおよびサイレント膜沸騰に比べて非常に大きな圧力振動を発する.また,蒸気膜のみが不安定ではなく,沸騰現象全体が大規模に不安定化した,λ圧力近傍から飽和状態にかけて発生するHe II中での特有の沸騰状態であることを実験的に示した. これら平成16年度の研究成果は、2004年中国で開催された国際低温会議(ICEC)で報告するとともに、雑誌"低温工学Vol.39に投稿し、掲載された。 また、以上の研究成果について、上海交通大学の張博士と超流動ヘリウム中での非定常大量加熱に際しての初期の波動熱伝達現象から膜沸騰開始に至る非定常伝熱過程について議論を行った。
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Research Products
(1 results)