2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14550874
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Research Institution | DOSHISHA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
千田 二郎 同志社大学, 工学部, 教授 (30226691)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 元 同志社大学, 工学部, 教授 (90051630)
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Keywords | 低エミッション / 燃料設計 / 内燃機関 |
Research Abstract |
本研究ではディーゼル機関の高効率・低エミッション化を目的とし,燃料の最適化といった観点から噴霧燃焼過程の改善を図っている. 本年度は従来型ディーゼル噴霧燃焼および超低エミッション燃焼法として期待されている予混合圧縮自着火(HCCI)燃焼を対象に,燃焼過程の創始であり,且つその後の機関性能・排気特性を大きく左右する着火過程に注目し,燃料性状による着火・燃焼制御の可能性について検討を行なった. ここで,本研究ではこれまでディーゼル機関に用いられてきた軽油や重油などの高沸点成分に低沸点成分を混合することで噴霧特性が改善され,さらに高沸点成分の蒸発が促進されることを明らかにしてきた.ところが低沸点成分は基本的には炭素数の少ない成分であるため着火性が低く,この燃料を軽油などの高自着火性成分に混合したときの着火特性を調べることにした.これらの各成分を混合した場合の結果は以下のとおりである.(1)混合燃料の着火は高自着火性成分の着火特性が支配的である.(2)その過程には高自着火性成分の低温酸化反応が重要な役割を担う.(3)高自着火性成分がn-ヘプタン程度ではそれ以上の炭素数の燃料に比べ着火促進効果が弱い. 以上の結果を受け,低沸点成分の混合による噴霧制御に加えディーゼル燃焼を成立するには,高自着火性成分の着火性を高める,あるいは低温酸化反応を活性化することが必要であり,後者は二段燃料噴射により実現可能と考えられる.また,このことは早期燃料噴射の希薄均一燃焼を実現するHCCI燃焼についても同様であり,ガソリン系燃料のような低自着火性成分を用いた場合により効果的であると予想できる.そこで,本研究ではガソリン系燃料を用いたHCCI燃焼の模擬実験により,一段目に噴射される燃料量などを最適化し,その酸化反応過程を用いることで均一希薄な二段の燃焼が実現できることを確認した.
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Research Products
(3 results)