2002 Fiscal Year Annual Research Report
高転移性転移因子による遺伝子破壊法を用いた生殖関連遺伝子の探索と機能解析
Project/Area Number |
14560001
|
Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
久保山 勉 茨城大学, 農学部, 助教授 (10260506)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 亨 三重大学, 生物資源学部, 助手 (30293806)
|
Keywords | 花粉 / 葯 / 花粉管 / グルカナーゼ / 遺伝子破壊 / トランスポゾン / マイクロアレイ / 雄生不稔 |
Research Abstract |
高頻度で移転し,コピー数の多いトランスポゾンdTph1を持つペチュニアW138系統を用いて植物体の集団(512個体)を育成し,3通りのグループ分けを行った後,各グループについてDNAを抽出した.その結果,8+8+8=24のDNAサンプルを得た.その集団と,昨年度に作成した集団,合計1024個体に対して,花粉管や花粉で発現している2つのグルカナーゼ遺伝子内にトランスポゾンが挿入されて遺伝子が正常に働かなくなっている個体の選抜を試みた.その結果,花粉で発現していたグルカナーゼ遺伝子にトランスポゾンの挿入が検出された.現在,その個体の後代でトランスポゾン挿入の確認を行っている.トランスポゾン挿入のあった個体については,ホモ個体を得て,その花粉形成,花粉管伸長における表現型について野生型との違いを調査する予定である. 一方,イネの葯のEST(約2000クローン)の発現動態をマイクロアレイで調査,小胞子期の葯で特異的に発現するクローン約90を同定した.これらの内,2つの遺伝子Osc4ならびにOsc6について,小胞子期の葯に置いてセンス及びアンチセンス方向で発現するコンストラクトを作成しイネに導入した.形質転換体の草型ならびに生育特性は非形質転換体と比較して差異は認められなかったが、全ての形質転換体において花粉稔性が低下していた.特にOsc4遺伝子をセンス方向で発現させた形質転換体においては稔花粉が殆ど認められなかった.これらの結果より,タペートで発現するOsc4及びOsc6遺伝子が,小胞子の正常な発達に大きく寄与していることが推定された.今後,これらの遺伝子の発現と雄性不稔性との関連を調査する。
|