2003 Fiscal Year Annual Research Report
DNAマーカーを利用した選抜方法の効率評価と最適化に関する研究
Project/Area Number |
14560008
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
米澤 勝衛 京都産業大学, 工学部, 教授 (90026542)
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Keywords | 多段階選抜 / 成功確率 / 過去情報 / 逆分数重みづけ |
Research Abstract |
多段階収量選抜においては,当該選抜段階(年次)の収量データだけではなく,それ以前の選抜段階の収量データ(過去情報)をも利用して供試系統の収量性を評価することは,選抜効率の向上を図るうえで極めて重要である.各段階の選抜は,当該年次およびそれ以前の収量データの平均値に基づいて行われるが,この場合の平均値の計算方法としては,3種類の重み付け方法,すなわち,当該年次およびそれ以前の収量データをそれぞれの年次の誤差分散の逆数によって重み付ける方法(IV),各年次に配分された圃場面積によって重み付ける方法(FA)および各年次のデータを重み付けせずに等しく扱う方法(EQ)が考えられる.これらの3方法の中で,IVが理論的には最も優れるが,その計算に必要な収量の計測誤差分散(V)と遺伝子型×年次の交互作用分散(I)が正確に推定し難いという理由で,これまでは一般的に用いられてこなかった.本研究では,有限供試系統集団における上記3つの重み付け方法の効率を,優良系統が獲得される成功確率を指標として,モンテカルロ・シミュレーションによって比較した.その結果,VとIの推定値がかなり不正確な場合においても,IVは他の重み付け方法よりも優れていることが示された.IVの計算には余分な労力や特別の装置を必要としないため,選抜を行うにあたっては,各年次で得られた収量データからVとIを推定し,IVを用いて行うことが望ましい.このような方法で過去情報を利用した多段階選抜は,全ての供試系統を同じ年数にわたって収量計測して行う非段階的選抜よりも有利である.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Ishii, K.Yonezawa: "Range of application of inverse variance weighting for using historical information in stepwise yield screening of plant varieties"Breeding Science. 53. 305-312 (2003)
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[Publications] 石井卓朗, 米澤勝衛: "他殖性作物の主要選抜方式の効率比較:ドミナンスが存在する場合"育種学研究. 5・別1. 202 (2003)