2005 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム情報を用いたツツジ園芸品種群成立過程の解明と葉緑体の両性遺伝に関する研究
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14560019
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
半田 高 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 講師 (00192708)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遊川 知久 国立科学博物館, 筑波研究資料センター, 主任研究官 (50280524)
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Keywords | ツツジ / 園芸品種 / DNA / AFLP |
Research Abstract |
本年度は昨年度までに得られた園芸品種の成立に関与した可能性のある野生種のAFLPの分析結果をもとに、主要な常緑性ツツジ園芸品種群について、各園芸品種群に含まれる材料を収集し、DNA分析と交配実験をおこなった。 その結果、ツツジ亜属野生種間の類縁関係の解明,自然雑種集団の遺伝子浸透程度の検証,ツツジ園芸品種群の起源の推定を行うことができた。すなわち、ツツジ亜属野生種間の類縁関係の解明と、種特異的AFLPマーカーの探索を行い,ツツジ亜属野生種の系統関係について新たな知見が得られた。次に種特異的マーカーを利用して,園芸ツツジの重要な起源地の1つである九州霧島山系の標高別野生ツツジ集団の遺伝子浸透程度を核DNAレベルで明らかにすることができた。さらに,ヤマツツジ亜節よりモチツツジ亜節野生種の方が遺伝的に分化しており種特異的マーカーが得られたので,これまでその成立にはヤマツツジ亜節野生種のみが関わっていると思われていた「クルメツツジ」へのモチツツジ亜節野生種の関与の可能性の検証ができた。また、「リュウキュウツツジ」の‘白琉球',「オオキリシマ」の‘大紫'および‘曙'の起源の推定を行い,初めてDNAレベルでの起源種の推定ができた。 また、新たにベルギーで開発されたツツジ用のSSRマーカーを利用して、園芸品種群成立過程の解明に利用できるマーカーの選別を開始した。 原種同士の交配で得られた雑種実生は、主に上記の園芸品種群の成立過程解明におけるAFLP分析の分析材料として用いた。
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