2004 Fiscal Year Annual Research Report
キンカン属植物への細胞工学的手法によるカンキツゲノムの部分的な導入に関する研究
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14560025
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
國武 久登 宮崎大学, 農学部, 助教授 (80289628)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藪谷 勤 宮崎大学, 農学部, 教授 (70112414)
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Keywords | カンキツ / キンカン / 細胞融合 / 倍数体 / フローサイトメトリー / オルガネラDNA / ゲノムサイズ / 組織培養 |
Research Abstract |
キンカン属植物への細胞融合による部分的なゲノム導入を行うために、まず、シトロプシスガブネンシス(Citropsis gabunensis Swing. & M.Kell)と‘ショウグン'マンダリン(C.reticulata Blanco)との組み合わせで手法の開発を行った。次に、‘森田ネーブル'オレンジ[C.sinensis (L.) Osbeck var.brasiliensis Tanaka]とマルキンカン(Fortunella japonica Swingle)との珠心カルスプロトプラスト同士の電気細胞融合によりゲノム導入を行った。 シトロプシスガブネンシスと‘ショウグン'マンダリンとの電気細胞融合により獲得された再生植物体は,旺盛に成育し,両親の中間である三出葉を形成した.また,そのゲノムサイズは‘ショウグン'マンダリン(0.75pg/2C)とシトロプシス(0.97pg/2C)をほぼ合わせた大きさである1.75pg/4Cを示しており,染色体観察を行ったところ,四倍体(2n=4x=36)と確認された.さらに,核DNA解析の結果,再生植物体は,両融合親の核DNAをもつ体細胞雑種であることが証明され,オルガネラDNAの解析により,シトロプシスのcpDNAと‘ショウグン'マンダリンのmtDNAを有することが明らかになった.以上のように、電気細胞融合法を確立した。 次に、‘森田ネーブル'オレンジとマルキンカンとの珠心カルスプロトプラスト同士の電気細胞融合による属間体細胞雑種の作出を試みた.その結果,獲得された再生植物体は,両親の中間的な形態を示し,フローサイトメーターと染色体観察により,四倍体(2n=4x=36)であることが確認された.また,RAPD法とCAPS法による核DNAの解析の結果,得られた再生植物体は,両融合親の核DNAを有する体細胞雑種であることが証明され,オルガネラDNAの解析により,cpDNAとmtDNAは共にマルキンカン由来であることが明らかとなった.以上のように、得られた体細胞雑種はすべて対称融合雑種であり、部分的にゲノム導入された個体は得られなかった。
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Research Products
(7 results)