2002 Fiscal Year Annual Research Report
クラブアップル果実のヒトに対する生理活性の検索と有効利用法の探索
Project/Area Number |
14560027
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
吉澤 結子 秋田県立大学, 生物資源科学部, 助教授 (20269202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桜井 健二 秋田県立大学, 生物資源科学部, 助手 (00315607)
室伏 旭 秋田県立大学, 生物資源科学部, 教授 (00011916)
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Keywords | クラブアップル / がん予防 / HL-60 |
Research Abstract |
クラブアップルはバラ科リンゴ属植物で、観賞用庭園果樹として特に欧米で愛好されている。多くの品種・系統があり、一部は食用とすることが可能だが、そのヒトに対する栄養価や生理活性については、まったく報告がなかった。クラブアップルには豊産性の品種もあり、品種数の多さと果実の生産性を考え合わせると、単に観賞用だけでなく、その他の利用の道が開かれることは有意義と考え、クラブアップル果実の生活習慣病に対する予防効果を中心として探索した。ヒト前骨髄性白血病細胞HL-60を用いた増殖抑制試験において、検索した約40種類はほとんどすべてに強い増殖抑制活性がみられた。また、市販の生食用リンゴと比較したところ、市販リンゴでは活性を示したのは少なかった。活性成分を解明する手掛りとして、リンゴに多いとされるアントシアニンとポリフェノールの含量を調べ、増殖阻害との相関を調べた。ポリフェノールの含量はフォーリン試薬で総ポリフェノール量として定量し、アントシアニンは比色法で総アントシアニン量として測定した。その結果、HL-60への活性はアントシアニン量よりもポリフェノール量とむしろ相関があることがわかった。現在、有効成分の精製を進めており、単離して構造決定を試みる予定である。また、がん抑制効果は抗酸化と関連が深いことが多いので、抗酸化活性についても検討していく。クラブアップルは食用とした時は渋味や酸味が強いので、品種として食用に向く系統とHL-60への活性の相関も調査していく。
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