2002 Fiscal Year Annual Research Report
育成した重金属耐性植物の機能強化とそれによる重金属汚染土壌の浄化
Project/Area Number |
14560055
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
長谷川 功 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (40218441)
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Keywords | Phytoremediation / 重金属耐性 / 遺伝子組換え / カドミウム / メタロチオネイン / カラシナ / ケナフ / Cycteine合成酵素 |
Research Abstract |
1.Cd耐性能付与カラシナの土壌からのCd吸収能の評価:重金属耐性遺伝子として酵母由来のMetallothionein(MT)合成遺伝子CUP1を導入したカラシナ(Brassica juncea)をCd 11mgKg^<-1>(黒ボク土)および7mgKg^<-1>(砂質土)と、その10倍の濃度である110mgKg^<-1>(黒ボク土)と70mgKg^<-1>(砂質土)で栽培し、その生育とCd吸収を検討した。その結果、砂質土のCd高濃度区では非組換えカラシナには重金属誘導鉄欠乏クロロシスが発生したが、組換えカラシナは正常に生育した。組換えカラシナの葉中Cd含有率は、砂質土の低濃度区では80〜100mgKg^<-1>、高濃度区では500〜800mgKg^<-1>となった。一方、黒ボク土のCd低濃度区では50〜80mgKg^<-1>、高濃度区では80〜150mgKg^<-1>となり、これは非組換えカラシナの約2〜3倍で、重金属耐性遺伝子の導入によって重金属を高濃度に含有しても生育可能になった。 2.MT合成遺伝子CUP1導入ケナフの作成:作季が異なり根量が多い植物(Biomassも大きい)であるケナフにCUP1を導入してCd耐性ケナフの作成を試みた。その結果、28株の組換えケナフを作成した。その再生個体を水耕法でCd処理を行ったところ、Cd200μM処理しても枯死しなく体内Cd含有率が約2,300mgKg^<-1>(枯死した非組換えケナフは約190mgKg^<-1>)と著しくCd耐性株を得た。この株は現在、挿し木によってクローン苗の大量生産を行っている。 3.重金属耐性能の強化に関する検討:Cysteineは、それ自体が重金属と結合能を有する他、前述したMTは、Cysteine含量の高いポリペプチドであることから、MT合成能を付与した植物に、o-Acetylserin(thiol)lyase(Cysteine合成酵素)の合成遺伝子を導入し、Cysteine合成能を過剰発現させることで重金属耐性能を強化することを試みた。o-Acetylserin(thiol)lyaseの合成遺伝子は、ホウレンソウの葉緑体からクローニングしたCF3SFを用いてBinary vector法でカラシナ70株およびケナフ138株に導入した。その結果、Km耐性でスクリーニングした株はカラシナ60株、ケナフ80株を得た。それらの選抜株から個体再生させたカラシナ9株とケナフ22株を得た。これらについて、導入遺伝子CS3FをPCRによって検出を試みている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Hasegawa Isao: "Phytoremediation : a Novel Strategy for Removing Toxic Heavy Metals from Contaminated Soils Using Plants"Fanning Japan. 36(6). 10-15 (2002)
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[Publications] F.Shinmachi, Y.Kumanda, A.Noguchi, I.Hasehawa: "Translocation and accumulation of cadmium tolerant Polygonum Thungergii"Soil Science and Plant Nuitrition. 49(Acccpted). (2003)
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[Publications] F.Shinmachi, Y.Kumanda, A.Noguchi, I.Hasehawa: "A stem specific cadmium accumulation mechanism in cadmium tolerant Polygonum Thunbergii"Soil Sciene and Plant Nuitrition. 49(Acccpted). (2003)
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[Publications] M.Watanabe, F.Shinmachi, A.Noguchi, I.Hasegawa: "Introduction of yeast metallothionein gene (CUP1) in plants and evaluation of the heavy-metal tolerance of transgenic plants at the stage of callus"Plant Biotechnology. 19(Submitted). (2003)